そこでぜひ実施したいことが、自分と組織、
自分とタスクのモチベーションファクターを繋ぐブリッジを設定することだ。
たとえば、自律裁量のモチベーションファクターを持つ自分が、安定保障の組織に勤めたり、仕事をすることになったとする。
その場合、「自分なりのアイデアを出して(
自律裁量)、リスク回避の方法を考える(
安定保障)」「いくつかの選択肢のなかで安全確実な方法を選んだうえで(
安定保障)、自分なりのやり方で工夫しながら取り組む(
自律裁量)」というように、自分と組織、自分とタスク、
両方のモチベーションファクターを組み込んで、プロセスを設定する方法だ。
そうすることで、両方のモチベーションファクターを繋ぐことができる。
自分のモチベーションファクターも満たされ、
組織やタスクのモチベーションファクターも満たされる可能性が高まる。
自分に合わないと思っていた組織のなかで仕事がしやすくなったり、合わないと思っていた仕事がやりやすくなったりする効果があるので試してみていただきたい。
質問:モチベーションファクターに合わない仕事の成果を上げる方法はありますか?
自分のモチベーションファクターに合っていない仕事をするときにも、業務の進捗を早めたり、ストレスを感じないようにして、成果を上げる方法はないでしょうか?
回答:自分と仕事のモチベーションファクターを繋げて考える
相手のモチベーションファクターに合致した助言、指導、進捗管理、フォローなどをしていくと、相手と自分との関係が改善します。それと同様に、自分のモチベーションファクターとは異なる、
その仕事に必要なモチベーションファクターを意識的に発揮することを心がけていくと、仕事が進捗し、パフォーマンスが上がりやすくなります。
その仕事に必要なモチベーションファクターを意識的に発揮するということは、
自分のモチベーションファクターと仕事のモチベーションファクターを繋げて考えるということです。
たとえば、リスクを顧みずチャレンジングな取り組みをすることを好む
目標達成のモチベーションファクターの人が、システムのエラーを発見する
安定保障の仕事を付与されたとします。その場合は「ひとつひとつエラーを見つけることに(
安定保障)、チャレンジしよう(
目標達成)」という考え方をしていきます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第219回】
<取材・文/山口博>