IT技術者界隈で話題!「本番環境でやらかしちゃった人 アドベントカレンダー」

失敗を開示・共有できる社会は、隠蔽を減らす

 失敗を適切に開示でき、過剰な責任を負わされず、対策を組織的にすることは非常に大切だ。次に発生する同じミスや、似たようなエラーを防いだり、ダメージを軽減したりできる。そうすることで、社会や組織、製品はよりよいものになる。また、今後どうしていくか議論をすることもできる。  逆に、失敗を開示することで過剰な責任を負わされる場合、人は失敗を隠したり、失敗を認めなかったり、嘘を吐いて隠蔽しようとしたりする。そうなれば、何度も同じミスや、似たようなエラーが発生する。また、失敗を隠すほど得をする、嘘を吐くほど得をするといった社会や組織になっていく。  失敗を公開するには勇気がいる。そして、失敗を許すには度量がいる。しかし、社会をよくするためには、失敗を受け入れる必要がある。  失敗があり得ると想定した制度設計。上手くいかなかったときの次の計画。何をもって失敗とするかの基準作り。失敗への対策。  新型コロナウイルスの流行以降、人類は数多くの失敗を発生させている。未知のウイルスとの戦いなので当然だ。  こうした、失敗が多く起きる時期だからこそ、失敗に対する態度や、失敗を前提とした考え方に、アップデートする必要があるのではないだろうか。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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