結婚後の仕事と家事の分担。女性の方が保守的な傾向?

仕事と家庭とのバランス

 では、実際に結婚をしたあとの役割分担については、どのような考えがあるのでしょうか。男性で55.1%、女性で45.9%が「夫と妻が収入も家事も同等」と回答しており、男女平等の意識が根付いてきているのがわかります。  男性の自由回答には「子供のためにも両親ともに働き世帯収入を増やしたい。お互い仕事をするのだから家事も当然分担すべきだと思う方から」(埼玉県/28歳男性)といった意見や、「自分一人だけの収入だと将来金銭的な面で不安もあるので、妻も負担になりすぎない範囲で収入を得て欲しい」(岡山県/28歳男性)といった回答が見られました。ここから「自分の収入だけでは不安」といった本音も垣間見える結果となりました。  女性の回答からも、社会進出への意識は見られるものの「夫には働いてもらって、妻は家事と子育てをしながら働ける範囲で少し家計を助ける程度がいいから」(兵庫県/24歳女性)といったように「自分は家庭を守り夫には家計を支えてほしい」という意識もあるようです。こうした意識が、「夫の収入が主、妻が兼業主婦」という回答が男女ともに次点となっていながら、女性の方が16ポイント近く高い37.2%という数値にも表れています。

結婚願望がない人の考え方

 多様化が叫ばれる昨今「結婚願望がない」という回答も男性で19.6%、女性で15.9%となっています。理由としては「仕事と趣味に打ち込んでおり、結婚して誰かを養うという状況は考えられない。結婚すると苦労も多くなると思っている」(埼玉県/26歳男性)といったように、仕事に楽しみを見出しはじめる20代らしいものが目立ちました。  また、時勢を反映した「コロナで自粛生活になり人に会わなくなったが、誰かと一緒にいたいと思わなかった。そのため、結婚願望がなくなってしまった」(神奈川県/28歳男性)という意見も見られました。世界的に大きな影響を及ぼすコロナが、若者の結婚観に与える影響も、今後は興味深くなってくることでしょう。  また、筆者個人としては、日本国内でパートナーシップ制度が広がりはじめていることから、これまで結婚願望をもっても実現ができなかったLGBTQの方々が、結婚を望めば自由に選択できる時代がくることを願っています。  今回の調査結果から、男女平等の大きな流れの中に、慢性的に続く経済的な不安とコロナウイルスの世界的拡大の影響が見られました。めまぐるしく変わる現代の情勢に、若者の結婚への考え方も敏感に反応しているようです。 <文/Mr.tsubaking>
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