後援団体に名を連ねる
一般社団法人『100歳大学』の中田悌夫代表にも電話取材を行った。元鈴鹿短大助教授の中田氏は『ファイト三重!県民まつり』後援の経緯について、矢田氏や『100歳大学』講師の
花井錬太郎氏が実行委員を務めていることから後援することになったと答えた。
実行委員に統一教会系の平和大使協議会の役員が多いことを伝えると「多いでしょう、議員が多いでしょう」と納得の様子。
平和大使協議会が主導しているイベントではないかと問題視していることを伝えると、中田氏は「それは事実でしょうね」とイベント実態への筆者の疑念が的を射ていることを裏付けた。
中田氏自身は、イベントの背景は知ってはいたものの実行委員として直接参加することはしていないという。
「その人たちが中心で、矢田真佐美という人が事務局的に動いていることは知っているけど、僕は直接は参加していない」
矢田氏が平和大使協議会の関係者ということは花井氏から聞いたという。元商社マンの花井氏は平和大使協議会の活動に参加し韓国にも行っていたという。
「あれは引っ張られたね。矢田さんたちから来てほしいということで花井さんを引っ張った。韓国にも行ってるでしょう、無料でやってますよ、お金があるんでしょうねあの団体は。日本からもだいぶ大勢行っとる、100人とか。議員が多いね議員が、選挙対策やね、ほとんど議員でしょう。議員とか社長とかね。花井さんも三菱商事、大企業出身であちこちから引っ張りが来る、見識や経験もあるし」
統一教会やそのフロント組織である平和大使協議会の地域への浸食度合いについて、中田氏は「そうでもないが、議員族がやっとる」と分析、今回のイベントに関する同協議会の運営手法をこう指摘した。
「お金はあるし、お金を集める必要ないし経費も市からもらっている。上手に」
中田氏によると当日参加する地元の諸団体はイベントの背景を知らないのではないかという。中田氏自身も100歳大学が平和大使協議会主導のイベントに参加し後援すること自体への抵抗感は特にないようだ。
「5分くらいは顔を出す、肩入れしてやる暇はない、自分のところが忙しいので」
地方議員と統一教会フロント組織の“共存”関係は地方都市では取り立てて珍しいことではなく、日常化しているということなのか。
18日、四日市市と三重県に、筆者からの情報提供を受け自治体としてどう判断したか取材した。
四日市市政策推進課の担当者は、統一教会のフロント組織が主導するイベントへの補助金交付の認可を取り消さないとした。
「今回、実行委員会を立ち上げて実行委員会として申請されている。平和大使協議会との関係が客観的に判断しづらい。反社会的云々も客観的にみて関係性が判りづらい。実行委員会による123周年補助事業の企画・対象に対しての補助。事業の中身を確認しているので、そこが宗教的活動との繋がりがないとの判断。補助金交付は変わらず行う」
統一教会自体が「反社会的な団体」との社会的評価を受けていることの認識の有無について問うと、あっさり否定した。
「それもないですね」
イベントの背景やどういう人間が関わっているかについて調べないのかと追及したが、市は無責任な回答に終始した。
「実行委員会を立ち上げてもらっているのでそれとは別かなと」
同市観光交流課も同様の理由で市の後援は外さないと答えた。市長の応援メッセージもプログラムに掲載予定だという。
三重県庁地域支援課も後援を続ける判断を採った。
「改めて事務局の方にも確認させていただいて、企画内容等も見て、今回のイベント内容が承認基準に照らして、取り消しなどの対応をする案件ではないと判断した」
後援を継続する三重県、要請のあった鈴木英敬知事の応援メッセージについてもすでに原稿をイベント事務局に渡したという。
呆れたことに三重県は、平和大使協議会が統一教会の関連団体であるとの確認もしておらず、実行委員会の主導実態や統一教会フロント団体の関与自体の評価すら行っていないという。
「直接確認はしていない。本当に統一教会が関係しているかを含めて事実関係の話もあるので、そこでもって今回の後援の判断をしているわけではない」「統一教会との照合はしていない。イベント内容に政治的宗教的なものがないという前提で後援した」