名刺交換だけでビジネス相手を分析できるか? 限られた情報で性格や志向を見極める秘訣とは

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染防止対応が長期化する見通しのなか、メールや電話、リモート会議で社内外のビジネスを進めることが常態化している。

「見せかけの合意」が放置されていないか

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 私はこうしたビジネススタイルの変化がもたらす影響に、大きな危惧を感じている。対面でのコミュニケーション機会が極めて限られるなか、相手の状況や考え方が把握できていないままビジネスが進み社内のメンバーや顧客を巻き込む度合が低下して、「見せかけの合意」が氾濫するのではないかと思えてならない。  もちろん、対面でのコミュニケーションを回避してリモートでビジネスを進めることは、感染防止の観点から必要不可欠なことだ。筆者はそのことに反対しているわけではない。  しかし同時に、巻き込みの低下というネガティブインパクトを放置せず、これを最小限に留めることにも思いを巡らさなければならないと思うのだ。

カメラ/マイクオフはビジネスを減速させる

 巻き込み低下を防ぐために私がお勧めしていることは、リモート会議を常時カメラオン/マイクオンで実施することだ。しかし、企業によっては、リモート会議はカメラオフ発言するとき以外はマイクオフという不文律がある。  この状態を続けていくと、相手の表情を把握しないでコミュニケーションすることが常態化してしまう。相手の状況や考え方が把握できていないことに気づかぬままプロセスが進み、ひいてはビジネスを減速させてしまうことになりかねない。  そこで私は、常時カメラオン/マイクオンでリモート会議を実施している。もちろん、インターネット回線の安定性についての心配もあるだろう。しかし連日、ときには数十人単位でZoomでの会議や演習をしていても、今のところ大きな問題を感じていない。  まれに参加者の一人が、その人が利用しているインターネット回線の不安定さなどの理由により回線が途切れることがある。この問題は、全員のカメラやマイクをオフにしたからといって防げたわけではないように思える。  インターネット回線の安定性確保という名目のために、参加者が顔を出さない、声を出さないという状況、ひいてはお互いに表情を示さないという悪しき状況を加速させてしまっているのではないかと思えてならないのだ。
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ビジネスの相手をパターン化することで多様な対応をする
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