最近はパパ活をしているお客がホストクラブで豪遊!?
石井光太氏
石井氏が「歌舞伎町の50年を追うにつれて、歌舞伎町という街が生きていること、その時代を反映していることがわかる」という感想を述べると、ホストクラブを支えてくれているお客の変遷について話が及んだ。
「ホストクラブは今も昔も基本的には風俗で働いているお客さんが支えてくれています。でも今は、パパ活をしているお客さんたちがものすごいお金を使うとも聞きますね」(手塚氏)
「今はお金持ちが増えていると思いますよ。カネ余りの時代です。目ざといホストはそういうお客さんを捕まえて、やっぱりうまくやりますよね。いつの時代も大口のお客さんはいますけれど、何をやっているかは聞きません。『聞くな』と教育していますね。巻き込まれると怖いですから」(森沢氏)
この話に続いて石井氏は、「“ホストクラブの元祖”とも呼べる愛本店では、日本でも有数の詐欺師をひとりでも捕まえておけば売り上げ1位になれたそうです。2年後くらいに、テレビでそのお客が逮捕されたのを見て気づく」という衝撃のエピソードも披露した。
さらに、いま話題の現役カリスマホストであるROLAND氏については「素晴らしいと思います」と森沢氏は語る。
「業界を盛り上げてくれて。彼は、整形していることをブログに堂々と書いていて、この人は化けるだろうなと思っていました。普通は、売れっ子は整形していることを隠します。彼の同世代の子たちも刺激を受けたと思いますね」(森沢氏)
「彼は現役ホストとして、ホストが夢物語であるということを体現してくれている素晴らしい存在ですね。その点では、城咲仁や頼朝よりもずっとすばらしいと思います。でも二人に聞いたら、『芸能人としては俺らのほうが上だ』と言っていました(笑)」(手塚氏)
コロナ禍では夜の街が悪者にされ、ホストクラブも例外ではなかったが、いち早く歌舞伎町に検査場を設けるように行政に働きかけて動くなど、閉じられた業界から行政が入ったりして開かれた業界に変貌しようとしている。手塚氏は、よりクリーンで開かれた歌舞伎町の未来を語る。
「歌舞伎町をエンタメ化したい。そのなかで、ホストクラブにもいろいろな人が来るようなものにしていきたい」
愛本店からはじまった歌舞伎町ホストクラブの歴史は、さまざまな進化を遂げながら現在進行系で今も進化し続けている。次の世代交代が起こるとき、どのようなサービスや形態が現れるのか、目が離せない。
<文/神田桂一 写真/坂本慎平>