円山球場(写真/札幌市観光写真ライブラリー)
円山球場は1934年、札幌神社外苑球場として竣工。開場以来、現在に至るまで高校野球、大学野球、社会人野球など道内のアマチュア野球公式戦が行われているほか、プロ野球公式戦も数多く開催されてきました。
札幌最初の野球場である中島球場に代わって、1977年夏からは全国高等学校野球選手権南北海道大会の主球場となり、これにより円山球場は市内や道内を代表する野球場として本格的に使用されるようになりました。『青空エール』のクライマックスにふさわしい球場です。
ただし2001年、豊平区に札幌ドームが開場することになって、そこが日本ハムファイターズのフランチャイズとなり、プロ野球はほぼ札幌ドームを使用することになりました。しかし円山球場は依然として、「北の甲子園」と呼ばれることも少なくありません。
中島公園内の音楽専用ホール「kitara」
また吹奏楽部に目を転じると、白翔高校の定期演奏会に使われるのが、前述の中島球場のあった中島公園内の音楽専用ホール「kitara」です。1997年に北海道初の音楽専用ホールとして開館しました。札幌交響楽団がここを拠点にしているほか、「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」などの会場にもなっています。ここへ行くには地下鉄南北線中島公園駅から徒歩になります。
さて『青空エール』の聖地はまだほかにもあるに違いありませんが、筆者が作品のなかで明確に場所を特定できたのが、札幌では以上です。
白石高校、川下公園へは地下鉄東西線白石駅、地下鉄東西線新さっぽろ駅、JR札幌駅からバスで行くことになります。JR札幌駅からは約30~40分程度、麻生球場へは地下鉄南北線麻布駅から徒歩になります。また円山球場へは地下鉄東西線円山公園駅から徒歩になります。
『青空エール』の聖地を巡りながら、観光ガイドブックに載っていない札幌を楽しむのもまた素敵な時間といえるかもしれません。個人個人の発見がそこにあるはずです。
【野球マンガの聖地を巡る旅 第3回】
<文/増淵敏之>