フロリダのヒスパニック系はなぜトランプ支持が意外と多かったのか? 米大統領選、ヒスパニック系の動向とその背景

米大統領選2020

.(Photo by Melina Mara/The Washington Post via Getty Images)

増えつつあるヒスパニック系有権者

 米国の永住権を持っているヒスパニックの人口は6000万人。一方、永住権を持っていないヒスパニックの人口はおよそ1000万人と推定されている。今回の大統領選挙で投票権をもっているのは3200万人。2016年と比較して15%多くなっている。  ピュー研究所の調査によると、2024年にはそれまでに18歳になる若者が加わって3600万人のヒスパニックが投票権を持つようになると見られている。(参照:「Voa Noticias」)  砂わり、4年後にはヒスパニックの人口のほぼ半数が投票権を持つようになるが、アフリカ系アメリカ人の場合は60%、白人の場合は65%が投票権を持っており、ヒスパニックを上回っている。  ヒスパニックが集中しているのは5つの州、カリフォルニア(780万人)、テキサス(560万人)、フロリダ(310万人)、ニューヨーク(200万人)、アリゾナ120万人)となっている。それに続いてニューメキシコが100万人を超えている。  この5つの州でヒスパニックの票が思った以上に伸びず、トランプ票と拮抗した結果、バイデンの勝利をもたらさなかったのはフロリダとテキサスである。これまで共和党の牙城であったアリゾナも今回ヒスパニック票の前に崩れつつある。

アメリカの「ヒスパニック系」の政治的傾向の変化

 ヒスパニックで一番多数を占めているのはメキシコ人で全体の59%、その次にプエルトリコ人14%、キューバ人5%、それ以外の中米出身者などによるヒスパニックが22%という構成になっている。(参照:「El Pais」)  1992年から2016年までの大統領選挙までは58%から71%のヒスパニックが民主党を支持していた。その一方、30%が共和党支持者であった。(参照:「Voa Noticias」)  ヒスパニックの民主党への支持者が多いというのを示した例として2016年の大統領選挙ではフロリダではヒスパニックの66%がヒラリー・クリントに投票した。フロリダはキューバが社会主義革命を起こした時に米国に亡命したヒスパニックが多く、彼らは一般に共和党支持者である。それでも、クリントンにヒスパニックから多くの票を集まった。同じく、テキサスでもヒスパニックの61%がクリントンに投票した。  しかし、今回の大統領選挙ではフロリダもテキサスもクリトンが獲得したヒスパニックからの得票率をバイデンは達成できなった。  これはバイデンにとって期待を裏切られたものであった。この理由について、フロリダの場合にバイデンへの票が伸びなったのはなぜなのだろうか?
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フロリダとテキサスにおける「民主党」離れの背景
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