大橋昌信は、民事裁判の1回目を欠席した筆者に対し、「どうして欠席したのか」や「証拠を持っているのか」を聞くため、「取材」と称し、夜9時にアポもなく小型カメラを片手に閑静な住宅街を徘徊し、筆者の自宅を訪問してきた。
裁判を欠席しようと、持っている証拠をいつ出そうと、そんなものは筆者の勝手のはずだが、わざわざ家まで押しかけ、その様子を動画でネット上に晒したあげく、住所や家の画像までネット上に晒した。そのため、深夜に宅配ピザが届くなどのイタズラが発生し、家族が強い不安を感じるようになってしまい、筆者は取材に行けなくなってしまった。
こうした様子を見て、大橋昌信と因縁のあるYouTuberの男性は「自分や自分の家族が同じことをされても文句は言わないのか」と問いかけた。その上で、大橋昌信が出席する12月の議会を傍聴し、大橋昌信に「取材」と称して質問をすると宣言したのである。
大橋昌信にも家族がいるはずだ。もちろん、筆者にも家族はいる。
ところが大橋昌信は、筆者の家族が騒動に巻き込まれるのは自己責任だとしながら、自分の家族に何かがあったら絶対に許さないと主張している。要は、「自分は良いけど他人は許さない」という話である。
そして、大橋昌信は11月1日に「(※男性の本名)くんへ。やったらやり返すよ。その覚悟あるんだよね?ねぇ?ねぇ~?(笑)」というタイトルの動画(編集部注:男性の実名を含むため、動画へのリンクは貼りません)をアップし、以下のような発言をしている。
“(01:56~)
「まあ、これがね、あの、フェイクなのか知りませんよ、あの、フリなのか、ね、行く行く詐欺なのか知りませんけども、これまかり間違っても、ね、勘違いして、もしまかり間違っても、柏市議会、市役所に来るようであれば、私の目の前に現れるようであれば、本当に知らんぞ。本当に知らんぞ。もうあんまり君ね、僕のこと話題にしない方がいいよ。悪いけど。本当知らんぞ。シャレじゃ済まんて。ね、あの、エ、エン、エンタメとか言ってる場合じゃないからね。うん。もう本当関わらん方がいいぞ。それだけは言っておくよ。な、君が『ハタシアイ』とか特殊なケースで逃げたのは君の責任。君が原因。ね。リングの場で、ね、スポーツの場で、総合格闘技の場で、格闘技の場で、ね、交わるんであればと思ったけども、君はそこを逃げたわけだよ。もう逃げてるんだから。ね、それが悔しいからといって、ま、勝手に張り切るのは自由だけども、もし仮に来たら、もう本当知らんからな。忠告はしとくぞ」“
大橋昌信の言う『ハタシアイ』とは、堀江貴文イノベーション大学校(HIU)から生み出されたイベントで、因縁のある素人同士がリングの上でケンカをする、スポーツの名を借りた喧嘩の興行である。NHKから国民を守る党は今、党をあげて『ハタシアイ』というイベントの宣伝をしている。そして、大橋昌信もまた、暴行事件の被害者を相手にケンカをふっかけ、『ハタシアイ』に出場するように求めている。
当然、こうした因縁をビジネスに結び付けられても困るので、YouTuberの男性はイベントへの出場を拒否しているわけだが、大橋昌信は「逃げた」と表現し、挑発を続けている。そして、議会の傍聴に来ようものなら「本当に知らない」とまで言い出した。一体、何をするつもりなのだろう。
さらに大橋は動画の中でこう続けている。
“(04:18~)
「大橋が誰かに対して取材をするってことは、大橋も誰かに取材されるっていう覚悟があるんだろうなぁって言ってましたね。まあ、そのこ、そのことに関してはね、過去の動画でも言いましたよ。ね、その覚悟はあるからこそやってるんだろうと。なあ、当たり前だよと。そんな覚悟がなく中途半端なことはしねぇよと。でも、私に対してね、無礼な取材方法を取るのであれば、それ相応の覚悟と責任を理解した上で、来れるもんなら来なさいって言ってる。
[※男性の本名]よ、君にその覚悟、あるのかよ。君、言ってたらしいね、何、立花さんに言えば、立花さんの娘さんと、その、あ、立花さんの娘さんの旦那さんの所に行ったりだとか、その旦那さんの家族の方に対してリア凸を匂わせたりだとか、私の家族に対するリア凸、もしくは息子の学校の校長先生にリア凸。上等だよ。君がそれをするって言うんであれば、君も同等のことをされる自覚、覚悟があるってことだよね。少なくとも君は二度か三度、なんだ、柏市役所に来てるよね。柏市役所と言えば、私の職場と言っても過言ではない場所ですよ。であるならば、君もまあ、何かアルバイターのようだけども、アルバイトをしているようだけども、君が働いている職場で、誰かが、まあ、僕に限らずね、僕や、僕じゃない、まあ、いわば僕に依頼を受けた人が君に対して職場にリア凸して、取材を申し込む、取材をさせてもらう。その覚悟があってのことだよね。そういった覚悟、あるんであれば、どうか来たらいい。君の大切なご家族の方が取材を受ける。
[※男性の本名]君は今、渋谷駅で起こした女性に対する暴行で、今、暴行、暴行容疑の被疑者として、今、書類送検されてるけども、今、どのようなお気持ちですかって、君のご家族にそういう質問を矢継ぎ早、やぎつ、矢継ぎ早に畳みかけるかのように、質問される。追いかけ、追いかけられる。耐えられるのか、君は。それでもいいっていうんであれば、やってきたらいいさ。
言っておくけども、私にリア凸すること、関係者にリア凸すること、家族にリア凸すること、やめていただきたい。でも、やるって言うんであれば、覚悟を持って腹をくくって来なさい。君も同じことをされる覚悟があるんであれば、やってきたらいいさ。それと、うーん、繰り返しになりますけれども、[※男性の本名]君は、私の職場とも言うべき、柏市役所に何度も来ています。ね、彼も、まあ、どこで働いているか知りませんけども、まあ、アルバイト先に、取材だという名目で、リア凸されること、覚悟されているでしょうから、ぜひね、ここに関しては、えー、ぜひ、情報を情報提供をね、募りたいというふうに思ってます。
どういうことかと言うと、ぜひね、
[※男性の本名]君のアルバイト先の特定をね、お願いしたいと。もし特定していただいた方に対しては、3万円。3万円。これ早い者勝ちです。3万円をね、贈呈したいなと。要はこう、報酬ですね。3万円報酬、贈呈したいというふうに思っておりますので、まあ、詳しくはね、また別の動画を作ろうと思います。ぜひとも、えー、[※男性の本名]君、ね、ケンカを売る相手、ね、挑発する相手、間違えちゃいかんよ」
まず、YouTuberの男性は、アポもなく非常識な時間帯に小型カメラを片手に市民の家に行き、家族を巻き込むような迷惑行為をしている大橋昌信に対し、「自分が同じ目に遭っても文句はないのか」と問うているのだ。多くの人が「それは困る」と答えるであろう質問に、大橋昌信は「自分はその覚悟でやっているので、やられたらやり返す」と宣言しているわけだ。
しかし、こうしたやり方をすれば威力業務妨害に問われ、やり過ぎれば前科者になってしまうかもしれない。そうでなくても民事で訴えられたら賠償金が膨らみそうで、普通の人はまずやらない。そもそも筆者に対する迷惑行為は「やり返した」ものではなく、
大橋昌信が一方的に仕掛けてきたものである。
さらに問題なのは市議会議員のくせに「傍聴に来るな」と言い放ち、もし来た時には容赦しないと宣言していることである。
市議会は誰でも傍聴する権利があり、大橋昌信は公人である。家族を巻き込むやり方は公人であろうと容認できるものではないが、大橋昌信に直接意見を求めることには何の制限もない。これが「議員」と「一般人」の違いである。それが嫌なら議員を辞めればいい。
にもかかわらず、大橋昌信はYouTuberの男性の職場の情報をネット上で公募し、3万円の懸賞金をかける始末である。市役所に来たら、職場に押しかけたり、家族のもとに押しかけたりすることを匂わせているのだ。
しかも、とてもマヌケなことに大橋昌信は「アルバイト先に、取材だという名目で、リア凸されること」と言ってしまっている。「取材」というのがあくまで「名目」であることをバラしているのだ。
NHKから国民を守る党の副党首が、一般人の職場に押しかけることを匂わせ、言論を封殺しようとする。党首も党首なら、副党首も副党首だ。党是である「国民を守る」というのも「名目」に過ぎないのだろう。
<取材・文/石渡智大>
普段は選挙ウォッチャーちだいとして日本中の選挙を追いかけ、取材。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「
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