住民投票直前。メッキが続々と剥がれ始めた「維新都構想」

“維新依頼説”は公明党内でも創価学会員内でも流れていた

大阪入りをした公明党の山口那津男代表

10月18日に大阪入りをした公明党の山口那津男代表。市内3か所で維新との合同街宣でマイクを握り、反対から賛成に方針変更した理由を説明、賛成を呼び掛けた

 大阪都構想(政令指定都市の大阪市廃止)の賛否を問う「住民投票」(11月1日投開票)が、ほぼ横一線状態の激戦となっている。報道機関の世論調査も割れるほどで、ABC朝日放送とJX通信社の調査(10月17・18日調査)では賛成派が7.5%リード(賛成47.9%、反対40.4%)していたが、『日本経済新聞』とテレビ大阪の調査(16日~18日)では賛成40%に反対41%と逆の結果が出ていた。  両派の接戦が続く中、10月18日には公明党の山口那津男代表が大阪入りし、維新との合同街宣でマイクを握った。約1万票差で否決された2015年の住民投票では反対した公明党だが、今回は賛成に転じた。しかしABCの世論調査では公明党支持者は賛成よりも反対が多い結果となっていた。固めきれていない公明票へのテコ入れであることは誰の目にも明らかだった。  山口代表と街宣車でそろい踏み演説をした松井一郎・大阪市長(維新代表)は「公明党大阪府連が決めたこと」と説明しているが、合同街宣を聞いていた創価学会員は「『維新が公明党本部に頼んで山口代表の大阪入りが実現した』と聞いている」と暴露。時事通信も「公明の山口代表、一転大阪入り、都構想賛否拮抗で維新要請か」と銘打った19日の配信記事で、現地入りに慎重だった山口代表が方針転換した理由について「党内からは『焦りを強める維新から強い要請があった』(関係者)との声が漏れる」と報じた。“維新依頼説”は公明党内でも創価学会員内でも流れていたのだ。

「大阪の成長を止めるな!」は看板倒れで、虚偽情報にすぎない

説明会の 後に囲み取材に応じる維新代表の松井一郎市長

説明会の後に囲み取材に応じる維新代表の松井一郎市長

 終盤になっても接戦なのは、都構想のメリットが不明瞭であるのも一因に違いない。先の創価学会員は「山口代表の話を聞いても反対する」と記者団に明言。「維新の府知事と市長が誕生して9年経つが、大阪が成長した実感もないし、生活が豊かになったとも全く思わない」とも語ったが、これは大阪府の成長率が全国平均以下であるデータとも合致する(10月19日公開の本サイト「政令指定都市から特別区への“格下げ”となる都構想のデメリットに、大阪市民も気づいてきた」で紹介)。維新の都構想のキャッチフレーズである「大阪の成長を止めるな!」は看板倒れで、虚偽情報にすぎないというわけだ。  都構想実現の根拠が崩れ去ったともいえる。「2011年に維新府市一体行政が始まって二重行政は解消、大阪は成長に転じたので、これを制度的に定着させるために都構想が不可欠」と維新は主張しているが、二重行政が残る全国平均よりも大阪の成長率が低ければ、わざわざ巨費を投じて都構想(大阪市廃止と特別区移行)をする必要性は乏しい。  カーレースに例えると、<二重行政解消の強力エンジン搭載の“バーチャル都構想号”の購入を大阪市民に勧める維新だが、実は、二重行政の重荷を詰んだ普通車にスピード競争で敗北。大金を支払って買う必要はなかった>という話になる。維新は紛い物を売りつける詐欺的商法をしているとしか見えないのだ。
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嘘を嘘で塗り固めるかのような維新
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仮面 虚飾の女帝・小池百合子

都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ