「肉食離れ」は進むのか? 増えつつある「代替肉」製品を食べてみた

訪日外国人のヴィーガン市場

ハンバーグ 同じくハンバーグにはソースの違う「大豆からつくったハンバーグ(焦がし醤油香る玉ねぎソース)」も。ハンバーグ自体だけでなく、ソースにも玉ねぎの甘みとコクが加わり焦がした醤油の香りが加わった和風ハンバーグです。トマトソースでは若干気になった、噛んだ時の豆の風味も、こちらのソースにはマッチしていて気になることがありませんでした。  イオンは、こうした商品の開発をすすめていますが、日本のヴィーガン人口は他の先進国に比べるとかなり少ないようです。しかし、カロリーや糖質が比較的低く、食物繊維などを多く摂取できる植物由来の食品は、健康への関心の高まっている日本でも流行の前夜にあるといっていいかもしれません。  また、観光庁によると2018年に訪日外国人が日本での飲食に費やした金額は9783億円にのぼるといいます。そこから、多言語レストラン紹介サイト「Vegewel」を運営しているフレンバシー社の調査結果である、インバウンド客のうち4.7%が「ヴィーガン」および「ベジタリアン」という推計をかけあわせると、訪日外国人のヴィーガン市場は年間で約460億円になります。  コロナウイルスが下火になり、来年の東京オリンピック・パラリンピックが開催されればさらに需要が高まることが見込まれるのです。

パスタソースも植物性で

パスタ 一見、肉々しく見えるこちらのパスタも植物由来の原材料だけでできています。「大豆からつくったボロネーゼ」も、ハンバーグ同様、代替肉として大豆が使われています。大豆たん白を使うことで肉に近い食感を実現しています。味付けもトマトのコクや旨味はもちろん、バジルをはじめタイムやローレルが使われていて香り高く本格的です。温める必要がなく、茹でたパスタに混ぜるだけという手軽さも魅力のひとつです。さらに実は、このパスタの麺も「ひよこ豆と玄米からつくったスパゲッティタイプ」という商品で、一般的な原料である小麦を使っていません。  小麦は動物性の食品ではありませんが、日本におけるヴィーガン文化が、動物愛護や環境問題よりも健康志向に親和性が高いため、購買層が近いと考えられます。  こちらの麺については、小麦でできたものより粘り気が強く出る感じがあり、ツルッとしてキレのいいパスタの食感を好む方には不向きかもしれません。とはいえ、小麦を避けた食生活でグルテンフリーのダイエットをする方などには大変重宝する一品となるでしょう。  世界的な大きな動きとなりつつあるヴィーガンという暮らし方。日本での隆盛はまだ少し先かもしれませんが、コロナ禍が明けて再び訪日外国人が増えると、その様子は一気に変わるでしょう。イオンのこうした取り組みは、その先駆と言えるのかもしれません。 <取材・文/Mr.tsubaking>
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