「セクシー」発言の“元ネタ”フィゲーレス氏、小泉進次郎環境大臣を一刀両断

「もはや新たに石炭を使う余地は地球上のどこにも残されていない」

オンラインで日本の大学生のインタビューに答えるフィゲーレス氏

オンラインで日本の大学生のインタビューに答えるフィゲーレス氏。「No more space for coal」(石炭の余地はどこにもない)」と何度も繰り返した

 大学生など主に若年層で構成されるフライデーズ・フォー・フューチャー(FFF)横須賀のメンバーから、横須賀の石炭火力発電所建設問題に関して質問されたフィゲーレス氏は、「新たな石炭火力発電所は、もう地球上に“ノー・モア・スペース”だ。余地がないものはない」とバッサリ。洋上風力など、代替電源を追求すべきだとした。 「日本の石炭燃焼技術は世界一高効率だと聞きました。なるほど、確かにそうかもしれません。でも結局は石炭じゃないですか! いいですか、大事なことだから繰り返します。国連事務総長もおっしゃっています。”No more new coal”(新たな石炭はダメだ)と。  これ以上石炭火力発電所を作るということは、終わりなきインフラ破壊の未来に突き進むという意味であり、経済は回復不可能になるでしょう」(フィゲーレス氏インタビュー発言より抜粋)

「いま石炭に投資するのは、アスベストに投資するようなもの」

小泉進次郎大臣

小泉大臣は、国民にウケるパフォーマンスをするだけで行動しない人物なのか……?(写真/横田一)

 さらには、日本政府の取り組みに対して「世界は落胆している」と評価。「CO2削減目標も低いままだし、自国内のエネルギー開発にあまりにも不熱心。その気になれば低炭素化できるさまざまなテクノロジーを持っているにもかかわらず、その分野で世界をリードすることもない。理解に苦しむ」とフィゲーレス氏は首を捻る。  加えて、日本の海外に対する石炭火力発電所の輸出や投資についても批判した。新たに石炭を地上に掘り出して燃焼させることによる気候への影響だけでなく、これ以上の石炭開発は座礁資産化につながる危険性も指摘。「いま石炭に投資するのは、アスベストに投資するようなものだ」と斬って捨てた。  最後に彼女は、「日本人はどこにいるんですか?」と、国際社会におけるプレゼンスのなさを一言で指摘した。これが、国連気候行動サミットをともにしたはずの、フィゲーレス氏の小泉大臣に対する率直な評価だ。  当の小泉大臣は、フィゲーレス氏の「石炭にはノー・モア・スペースだ」という言葉をどう受け取るだろうか。今度は「セクシー」のように、言葉尻だけ借用するわけにはいかない。 <文・写真/足立力也>
コスタリカ研究者、平和学・紛争解決学研究者。著書に『丸腰国家~軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略~』(扶桑社新書)など。コスタリカツアー(年1~2回)では企画から通訳、ガイドも務める。
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