犬笛吹いて餃子店を休業に追い込むことは「経済を回す」ことじゃない。「ホリエモン新党」の都知事選候補者が発端となったマスク非着用騒動

この事件には「ホリエモン新党」が関係していた

 ただ、堀江貴文さんといえど、ただの一般人なので、一般人がどれだけモンスタークレーマーだったとしても、どうでもいい話です。世の中にモンスタークレーマーなんて星の数ほどいるので、そんな人たちにいちいち噛みついていては身が持たないというもの。しかし、僕がこの記事を書くことにしたのは、これがしっかり「政治にカラんだ話だったから」です。  今回の騒動で、マスクをしていなかったのは、ホリエモン新党公認、NHKから国民を守る党推薦で、今年7月の東京都知事選に立候補していた斉藤健一郎という堀江貴文さんの秘書でした。  彼は9月27日に「一連の騒動の発端は私です。/餃子食べられなくなってごめんなさい(΄✹ਊ✹‵) / #ボスには一切叱られてない/#むしろ守ってもらった/#Twitterトレンド入り」などとツイートしています。  立花孝志が代表を務める「ホリエモン新党」は今、この斉藤健一郎という人物が仕切っているそうで、堀江貴文さんはマスクを着用していなかった斉藤健一郎のために店主と戦ってくれたというのです。  しかし、実際はただのモンスタークレーマーです。にもかかわらず、今回の一件について、NHKから国民を守る党から今度の衆院選に立候補予定だという末永友香梨というN国党員は「問題提起のきっかけを作れた」と言い出す始末。これは問題提起ではなく、単なるクレーマーの迷惑行為です。倫理観の欠片もありません。  しかも、斉藤健一郎が謝っているのは、迷惑をかけた餃子屋さんではありません。餃子を食べられなくなってしまった堀江貴文さんに対してであり、こんなに迷惑をかけるやり方が「社会に問題提起」だそうです。どれだけ社会をナメているのでしょうか。 「同調圧力に苦しんでいる人がいるから戦っているんだ」と言っていますが、これこそ立花孝志と同じ思想であると言わずにはいられません。多くの人が「堀江貴文さんはどうして立花孝志なんかと手を組んでいるんだ?」と思っていたかもしれませんが、「同じようなメンタルの持ち主だから話が合うんだ」という結論になるのだと思います。こうした行動を見ていると、立花孝志も堀江貴文さんも根本的な部分では一緒なのだと思います。

正解を誰も知らない中、マスク着用は「同調圧力」ではない

 いまや、新型コロナウイルス対策をまったくしていない店舗というのは皆無に等しいと思います。どこも感染を拡大させないために、入口には消毒液が置かれ、時には強制的に体温を測らされます。店内の座席は隣同士の間隔が空けられ、テーブルの数も減らされ、間仕切りも用意され、客もメシを食ったらすぐにマスクをつけ、そそくさと店を出ていきます。  日本ではアジアや大洋州エリアでは被害も悪いほうに属しますが、それでも欧米よりは軽微な被害で済んでいるため実感しにくいこともあり、こうしたことを面倒だと思う人もいるかもしれません。しかし、まだ第3派などが予想され、その被害も未知数、解決策もまだない中では、できうる限りのことをして感染拡大を防ぐことが、堀江貴文さんがしばしば言うように「経済を回す」上でも必要なのではないでしょうか。  そのため、店も店で一生懸命取り組んでいますし、客も客で「体温を測るな!」なんて言い出す奴はいないわけです。それは同調圧力などではなく、経済を回さないと生き残れない店やフラストレーションが溜まる一般市民が、なんとか模索した「手段」なのです。  いちいち「メシを食う以外はマスクをつけてくれ!」なんて言われなくても、メシを食う時以外はマスクを着用しています。もしお店でクラスターが発生しようものなら、たちまち街の噂になって、お店が潰れることだってあるかもしれません。誰だってお店が大変なことを理解しているので、少しぐらいマスクをつけるのが面倒臭くても、お店の人や周辺のお客さんに新型コロナウイルスを感染させてしまったら、持病のある人は死んでしまうかもしれないし、何より「お店を殺すことになりかねない」のです。  昔と違って、今はマスクがなくてもコンビニやドラッグストアに行けば簡単に手に入ります。値段だって全然高くありません。マスクさえつければ美味しく餃子を食べられるのですから、マスクを買って来ればいいではありませんか。それでもマスクをつけないというのは、ただのカルトです。もし「マスクを他人に押し付けるな」と主張するのなら、「マスクをしないこと」を他人に押し付けることも間違えているのです。  ちなみに、10月18日に堀江さんが登壇する講演会では、「※当日のマスクの着用と検温検査へのご協力よろしくお願いいたします。検温後37.5度以上の方や、症状が確認される方の入場をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。」と注意書きがありました。それが当然の判断でしょう。
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犬笛に操られ個人店を潰す人は「経済を止めている」
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