そして、実際にデートをする当日までLINEでのコミュニケーションをし、決めた日に実際のデートをする。筆者がマッチングしたのはおとなしいタイプの男性で、ビデオデートの時には「こんな人と何を話せばいいのか……」とは思っていたが、実際に会うところまでがルールになっているので、とりあえず実際のデートまでには絶対にこぎつけられる。このことも、マッチングアプリ出会いのドタキャンに悩んだことがある人にはありがたいとは言える。
デートの後は、恋人関係を継続するかどうかをコンシェルジュに報告する。お互い継続希望となるなら、その後はまた個人的なコミュニケーションを続ける。どちらかがキャンセルとなるなら、コンシェルジュが間に入って、相手にお断りをいれてくれるので、気まずさはあまりない。
ということで、今回は交際5日で破局となってしまったが、ここまで実際にやって、実際に感じたメリットとデメリットをまとめてみる。
まずメリットだが、実際にデートにこぎつけられるというところは、いろんな意味で可能性が広がる。普通のマッチングアプリだったら、LINEのコミュニケーションのうちにやり取りが面倒になって、フェードアウトして終わってしまうこともある。
筆者も途中で心が折れそうになったものの、義務と言われたからデートには行ったし、実際に行ってみると「偏差値が近いらしい人」との会話はそれなりに面白く、「会って話してみないと分からない部分」に目を向けることができた。
反面デメリットとしては、
デートをこなすまで仮初めの恋人関係をやめられないため、それなりに一人に時間を割かなくてはいけない。ビデオデートの時点で「全く興味が持てない、タイプじゃない」と思っても密なコミュニケーションをしなくてはならないので、異性の好みに確固たるこだわりを持っている人には向かないかもしれない。
とはいえ、それなりの時間を割いての交流になるからこそ、
出会い自体は冷やかし感のない真面目な雰囲気だ。現行マッチングアプリでよくある「自らの選択による出会い」ではないが、そこで上手くいかなかったという人は、試してみる価値はあるかもしれない。
結婚相談所によるお見合いと比べればカジュアルだが、普通のマッチングアプリでの出会いに比べればより真剣だ。ビデオデートするまで相手の顔なども確認できないあたり、少し前に流行った「ブラインドデート」的な要素もある。
まずは自分の客観的な”恋愛偏差値”を知れるという意味でも、一度使ってみる理由にはなるかもしれない。
<取材・文/ミクニシオリ>
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携ったのち、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。