機械や装置の仕組みから動きを想像できる人はプログラミングに向いてる
◆【抽象化】大事なものだけぬき出して考える
抽象化は、プログラミングでは非常に大切だ。抽象化とは、
具体的なものを、具体的でないものに変えることだ。たとえば、山田さんと佐藤さんと鈴木さんをまとめて「人間」としてあつかう。個別の特徴をなくして同じものと見なす。これが抽象化だ。
この抽象化は、日常にも潜んでいる。たとえば電車の乗車料金。体重も身長も違う人が乗っているのに、同じ区間を乗れば、みんな同じ料金だ。こうすることで、乗客の輸送と料金計算を効率よくおこなえる。
こうした考え方はプログラムでとても重要だ。処理とデータを分けて、データを抽象化する。そうすることで処理だけを考えられるようになる。
◆【シミュレーション】頭の中で手順をたどる
機械や装置の仕組みから動きを想像できる。そうしたことができる人は、プログラミングに向いている。機械や装置の仕組みを説明されたとき、脳内で同じものを作り、頭の中で動かす。プログラムを書くには、そうしたシミュレーション能力が必要になる。
たとえばトイレのタンク。水がたまると、フロートが持ち上がり、水が止まる。そうした仕掛けを頭の中で動かせれば、応用してお風呂のお湯を止める装置を考えつくかもしれない。頭の中でシミュレーションすることは、新しいものを作るときに必要だ。
番組では『あたまの中でうごかしてみよう』というコーナーで、このシミュレーションを体験できる。
番組は、小さなコーナーの組み合わせでできている。
冒頭アニメーションの『ゲソタラズ』は、紙と磁石で面白い動きを見せてくれる。これだけでも楽しめる。
『あたまの中でうごかしてみよう』では、現実世界の物と仕組みを紹介したあと、その組み合わせでどう動くかを想像させる。少し考える時間を取ってくれるので、脳内シミュレーションをすることができる。面白いコーナーだ。
『ダンドリオン』では、小さなキャラが段取りの改善を目指す。この作業が得意な人は、プログラムだけでなく、業務の効率化が得意なはずだ。
『ロジックマジック』では、論理的に考えればタネが分かる手品が紹介される。推理力が試されるコーナーだ。
『プログラム人間』は、プログラムとしては非常にアバウトだが、手順どおりに何かをすることを、人の体でイメージさせてくれる。
『
テキシコー』は、NHK for Schoolのサイトで、9月の末に全10回の最後まで公開が終わった。このタイミングで観てみることをおすすめする。
<文/柳井政和>