そして、とても大事なことなのだが、
そのうちに気持ちが変わってくる。
相手のポジティブな面を見ようという意識が高まってくるのだ。私は、このことを「行動が意識を変える」アプローチと呼んでいる。
逆の考え方で、「
意識が行動を変える」というアプローチがある。「意識を変えないから行動が変わらない」、「意識を変えれば行動が変わるはずだ」という考え方だ。
しかし、思い起こしてほしい。
意識を変えよう、変えようと思って、変わったことがあっただろうか。意識を変えろと言われて、変わった試しがあっただろうか。あったとしても、とても長い時間がかかる。
それよりも、
意識が変わっていなくても、まず行動を繰り返してみると、その行動に即して意識が変わってくる。そのほうが意識を変えようと思うよりも、圧倒的に短い時間で行動と意識が変わるのだ。
さまざまな企業をサポートし、演習成果を数値化してきた。
モチベーションレベルの高い組織はパフォーマンスが高い。誰でもできる、否定表現を肯定表現に変えるという行動が、意識を変え、モチベーションを高めるのだ。
質問:ポジティブなことの想起や共有を日常化するにはどうするか
ポジティブなことを思い出したり、共感したりすることを、ことさら演習を行わないで自然と日常の中に組み込むにはどうしたらよいのでしょうか。それができれば、自分も相手もモチベーションレベルを上げることがしやすくなるのではないでしょうか?
回答:ネガティブな言葉を、意味を変えずポジティブに言い換える
日頃からポジティブなことを相手に対して話していくということを継続していければよいわけです。さらにその行動を分解すると、ネガティブなことを言いそうになったときに、瞬時に、意味を変えないで、ポジティブな表現に切り替えていくということができればよいということになります。
【否定的表現/肯定的表現】
朝礼暮改/柔軟、意志が弱い/協調性がある、計画性がない/直感力がある、暗い/落ち着いている、過去にこだわる/経験を大事にする、怒りっぽい/感情豊か、話が長い/話が丁寧、せっかちだ/迅速、動作が遅い/慎重、生意気だ/自分を持っている
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第207回】
<取材・文/山口博>