失敗したとき、人はどうすればいい? ネガティブ思考に囚われないための「立ち直り」法

落ち込んだ気持ちから脱出する方法とは

 ただ、ネガティブな思考に捕われてもいられない。その思考から抜け出すためには、先ほど紹介した「目的論」で考えてみることが重要だ。私も、ネガティブな気持ちに捉われたときは「目的論」で考えるようにしている。  何か失敗したときは、「どうしてこうなってしまったんだ」と悩むのではなく、「どうしたらいいのだろう」と自分の達成したい目的を作って、それに向かって進んでいく方法を考えるのだ。  目的論で考えることで、すべては今この瞬間から始まっているという感覚を得ることができる

目的論は「原因探し」にも有効

 仕事に失敗したときに、「どうして失敗してしまったんだろう?」と考えるのは、目線が過去に行っているため原因論的な考え方だ。逆に目的論では、「成功するためにどうしたらいいか?」と、未来に目線を向けて考える。  筆者も、最初はこの目的論の発想について「問題が起きた原因を考えずに、目的思考で考えても成長しないのではないか?」と考えていた。しかし、まずは目的論で思考し、気持ちを切り替えてから原因を探るほうが効果的だ。  ネガティブな気持ちのまま原因を探しても、問題を解決するために前向きになることができない。なので、“問題を解決する”ために目的論で考えるのではなく、“気持ちを切り替える”ために目的論で考えることを試していただきたい。簡単ではないが、習得する価値のある技術だ。  【参考資料】 『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健 『アドラー心理学 ―人生を変える思考スイッチの切り替え方』八巻 秀 <文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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