秋葉原・万世橋のランドマーク「SEGA」が8月末で閉館に。実は5店とも「家電店跡」だったアキバのセガ

 秋葉原・万世橋交差点のシンボル的存在となっていた巨大ゲームセンター「セガ秋葉原2号館」(セガ秋葉原GiGO)が8月30日での閉館を発表。永年親しまれた「アキバのランドマーク」の閉館は、世界中のゲーセンファンのあいだで大きな話題でなっている。
セガ秋葉原2号館

「8月30日グランドフィナーレ」の看板が掲げられた「セガ秋葉原2号館」。

17年に亘って親しまれた「セガギーゴ」

 セガ秋葉原店2号館(以下、セガ2号館)は2003年10月に「セガ秋葉原GiGO(ギーゴ)」として開業。「GiGO」はセガのゲームセンターのなかでも旗艦店業態に付けられる名称であったが、2017年にセガの秋葉原地区4店(当時)の店舗名整理により現在の「セガ秋葉原2号館」に改称された。改称からまだ3年ほどであるため「『ギーゴ』の名称のほうがなじみ深い」という人が多いであろう。
GiGO時代のセガ秋葉原2号館

特徴的な外観で万世橋交差点のランドマークだった「セガ秋葉原2号館」(GiGO時代に撮影)。

 万世橋交差点に面してエスカレーターが浮き出た特徴的な外観は地域のランドマークとして親しまれており、近年は外国人のゲーマーやアニメファンがゲームを楽しむ姿も見かけるようになっていた。
現在の「セガ2号館」(8月撮影)。

現在の「セガ2号館」(8月撮影)。
最後の大型ラッピング広告は「艦隊これくしょん」となりそうだ。
新型コロナ流行前には複数フロアに亘る大型ゲーセンの姿にテンションを上げる外国人の姿を見かけることもあった。

 セガ2号館のある「半田ビル」(旧名:第一半田ビル)はもともと1984年に家電量販店として開業したもの。当初は大部分が首都圏を中心に展開する家電量販店だった「第一家庭電器秋葉原本店」として利用されていた。しかし、同社が2002年に倒産したことにより閉店。翌年、家電量販店部分が「セガ秋葉原GiGO」となった。  ちなみにこの半田ビル、10階建て以上の高さがあるが、実際は地下2階・地上8階建て。高層階は広告塔屋と太陽光パネルだという。
「セガ秋葉原GiGO」時代の店頭。

「セガ秋葉原GiGO」時代の店頭。
様々なコラボが行われており、常にゲームファン・アニメファンで賑わっていた。

実は徒歩圏に「セガ新旗艦店」が開業したばかりだった

 さて、今回のセガ旗艦店閉店は単なる「店舗削減」であるとは言い切れない。  実は、セガは2019年7月に総武線高架沿いに新たな大型旗艦店「セガ秋葉原5号館」(以下、セガ5号館)を開業させたばかりなのだ。
セガ秋葉原5号館(開業直前に撮影)。

セガ秋葉原5号館(開業直前に撮影)。
奥にはライバルゲーセン「東京レジャーランド」が見える。

「セガ5号館」が出店したのは、1月までパチンコ店「アイオン」が出店していた吉葉無線ビル。5フロアある館内にはクレーンゲームなどプライズゲームコーナーを中心に、「セガのたいやき」(1階)、レトロゲームコーナー(4階)、催事スペース「Akib@ko(あきばこ)」(5階)、アニメフィギュアを中心としたプライズの展示コーナーなどを開設。「セガのたい焼き」では「SEGA」のロゴ型たい焼き(※鯛のかたちではない)や期間限定で「ラブライブ!」「鬼滅の刃」など人気アニメキャラクターとコラボしたたい焼き(※多くは鯛のかたちではない)などの販売もおこなわれているほか、「Akib@ko」では人気アニメやゲームとのコラボイベントが開催されるなど旗艦店に相応しい内容で、ゲームをせずともアニメ・漫画ファンであれば様々な世代が楽しめる店舗となっている。
セガロゴ焼き

セガ秋葉原5号館「セガのたい焼き」で販売される「セガロゴ焼き」。
(SEGAニュースリリースより)©SEGA

 17年に亘って秋葉原・万世橋のシンボル的存在となっていた「GiGO」(セガ2号館)との別れは淋しいものであるが、館内のゲームや展示プライズなどの多くは、この新店舗や近隣の店舗へと引き継がれることになるであろう。  なお、5号館は建物名の「吉葉無線ビル」という名前からも分かる通り、もともとは「吉葉無線」が出店していた建物だ。吉葉無線は秋葉原の老舗電気店の1つで、現在セガとなっている建物は1986年(建物の定礎板による)に同社の本店ビルとして建てられたもの。吉葉無線は現在もこの旧店と総武線を挟んだ場所で家電店として営業を続けているが、かつての店舗よりもかなり小さな規模となっている。
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家電店跡地だったアキバのゲーセンたち
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