TOEIC800点台の社員が600点台の社員より活躍しなかった理由とは? コロナ下でこそ見つめ直すべき、エリートに足りないもの

コロナ下でより重要さを増す瞬発力

 一方、すぐに行動に移せる人の多くは、行動の価値基準が自分の内面にある比重が高いと言える。言いたいことを身振り手振りでも、ホワイトボードにイメージ図を記してでも、伝えたいと思い、行動に移せる。  「自分の気持ちの高まり度合を確認しましょう」という簡単な演習でも同じ状況が繰り広げられる。何に対する気持ちの高まり度合かを確認しないと先に進めない人もいれば、すぐに自分の内面を見つめて、気持ちの高まり度合を見極めることができる人もいる。  この自分の内面を見つめる力があるかないかは、瞬発力を大きく左右し、パフォーマンス発揮ができるかどうかに関係が深い。環境変化が加速する今日、特に必要なスキルではないだろうか。

モチベーションは外ではなく内にあり

 質問:「自分の気持ちの高まり度合い」とは、何に対する気持ちの高まり度合か  自分の気持ちの高まり度合を事前と事後でチェックする方法ですが、いったい何に対する気持ちの高まり度合を見極めればよいのでしょうか。この書籍についてでしょうか、仕事についてでしょうか、家族についてでしょうか?  回答:自分自身で内面の気持ちを見極めましょう  それは、質問されても他の人には答えようがないものです。その人の頭のなかは、他の人には窺い知れないからです。  頭のなかがこの書籍のことで一杯であればこの書籍のことでしょう。仕事のことでいっぱいであれば仕事のことでしょう。家族のことでいっぱいであれば家族のことでしょう。ご自分の内なる思いを見極めていただき、その高まり度合を記せばよいのです。  実は、このことができない人が多いのです。細かく、枠組みを与えられないと行動に移せない人が増えている証左ではないかと思うのです。これは、モチベーションを高めることの妨げになっていると私には思えてなりません。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第204回】 <取材・文/山口博>
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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