photo by USSIE / PIXTA(ピクスタ)
感染者数の最多人数が連日のように更新されるなど、新型コロナの猛威が止まらない。日本経済が急速に冷え込むなかで、各産業はどのような打撃を受けているのか。
「今は何をやっても売れますね。特に雑貨やインナーが好調で、これまでは需要の少なかった園芸系が平均の倍以上売れるなど、異常値を叩き出しています」
カタログ通販企業に勤める加藤孝晴さん(仮名・34歳)は、そう声を弾ませる。
「アマゾンや楽天といったネット通販に押され、業界大手も近年は赤字が続いていました。ですが、このコロナ禍の自粛期間で業績は一転。自宅時間で使いたい商品への注文が大幅に伸びたおかげで、3月決算は前年度比120%増を記録し、去年の利益の7割近くをすでに達成しました。これは過去最高です」
新型コロナによって業績は好転したものの、会社のコロナ対応には多少不服な点もあるという。
「現在も週2回を上限にテレワークが認められていますが、一部テレワークはさぼりだという考えの上司がおり、『仕事でミスしたから、お前はテレワーク禁止な』とちょっとしたごほうびとして使われていました。熱が出て自宅待機となった人も数人いたし、さすがに納得できません。その上司がいる部署では、コロナ禍で6人がうつになり、3人が会社を辞めました。会社全体で見ると業績は上がっているのに、社内の雰囲気はあまり良くないかもしれませんね……」
とはいえ、「僕個人で考えると、いいことのほうが多かったです」と加藤さんは言う。
「僕のいる部署ではコロナ前と比べると多少業務時間が減りました。なのに、業績が上がったことで来季のボーナスは相当貰えるはずなんですよね。会社のコロナ対応に物申したいこともありますが、それ以上にボーナスが楽しみです」