コロナ禍で運送業界は大忙しと思いきや、現場では苛烈な労働環境が加速していた!

まさかのマイナス給与。現場に押し付けられる無理

 また、配送会社で働く矢田部晃さん(仮名・50歳)の場合、「月収がコロナ前の10分の1に下がった」という。5月の給料は、なんと2万5000円だった。 「工場や倉庫から企業へ荷物を届けるのが仕事ですが、5月はほぼ自宅待機状態で、休業補償はゼロ。むしろ毎月給料から天引きされる年金や保険料は変わらず、6月の明細には『マイナス6000円』と書かれていて目を疑いました」  あまりの待遇に、矢田部さんは慌てて上司を問いただしたという。

「みんなツラいんだ」と社長が逆切れ

「従業員10人ほどの小さな会社なので、直接社長や副社長に『さすがにありえない』と訴えました。でも『みんなツラいんだ。仕方ないだろう』とまさかの逆ギレ。これまでも何度か給料が微妙に引かれるなど何かとブラックな会社でしたが、まさかここまでとは」  そこで「労基署に相談に行く」と伝えると、なぜかすぐに4万8000円が振り込まれたという。 「それでも少ねえよって話ですが。ちなみに7月は半日勤務を16日間こなして給料は2万8000円でした。通常月収は20万円なので、半分なら10万円くらいが妥当です。社員の大半が会社と戦う気力がない還暦すぎの人なので、何をされても泣き寝入り状態ですね」  コロナ禍ではブラック経営が加速しているところもあるようだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!8月4日発売号より
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週刊SPA!8/11・18合併号(8/4発売)

表紙の人/ 小芝風花

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