校則は令和でもやっぱりヘンだった! トンデモ校則はなぜ続くのか?

 都の公立高校にある「ツーブロックヘア禁止」という校則が都議会の議題に上がり、大きな波紋を呼んだ。令和の時代になってむしろ増加傾向にあるという“トンデモ校則”。なぜそれらは廃止されないのか……? 校則は令和でもやっぱりヘンだった! トンデモ校則はなぜ続くのか?

校則厳罰化は加速する一方。昭和や平成以上に理不尽なルールも

 東京都の一部公立高校で「ツーブロックヘア禁止」という校則があることが問題視され、物議を醸している。ツーブロックヘアは若者には一般的な髪形にもかかわらず、都議会で見解を求められた教育長は「事件や事故に遭う可能性がある」と説明。この珍妙な答弁が話題となり、理不尽で不合理な“トンデモ校則”が、今も全国各地に存在することが浮き彫りになったのだ。 「上下の下着の色が白に指定されていました」  こう語るのは東北出身の森中沙也さん(仮名・18歳)。 「色物のブラジャーがブラウスから透けていることを男性教師に注意されて、とても恥ずかしかった」と赤裸々な体験を話してくれた。  この事例について校則や部活動の調査研究を行う名古屋大学大学院准教授・内田良氏は語る。 「下着の色指定は昭和から残る校則で、廃止されないで残っているケースが多い。通常は女性教師が検査を行うはずなのですが、男性教師がこうした発言をしていたとすると完全なセクハラですね」 「なぜかLINEのタイムライン機能だけが校則で使用禁止だった」と教えてくれたのは、都内の現役高校生・関田和哉さん(仮名・17歳)。教師に理由を聞くと、当初は「書き込みをすると、個人情報が特定される恐れがあるため」と説明されたが、帰り際に「オレにも実際はよくわからない」と胸の内を吐露されたそうだ。

教師ですら頭を捻る、妙な校則

 ’17年に理不尽な校則をなくすために発足された「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」の発起人の一人・須永祐慈氏は語る。 「実は多くの教師たちが校則について理不尽に感じています。ただ5年前後で赴任先が替わるので、教師も校則廃案のために動く気にならないのが実情ですね」  実際に「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」が調査した「各世代による中学時代の校則体験」のグラフを見ると、現在に近くなるほど校則は増えていることがわかる。コロナ禍においては「マスクを使用する際は“アベノマスク”限定」というルールが話題になったのは記憶に新しいし、「マスクは白のみ」という信じがたいルールを設けた学校もあったという。 校則は令和でもやっぱりヘンだった! トンデモ校則はなぜ続くのか?
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要因は親・教師・生徒の三者にあり!?
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