こうした想定顧客をより具体的にすることで、設定するべき賃料の価格帯も決まってくるという。
「繁華街の家賃はかなり高く設定されているため、それよりも少し低めの水準を意識しています。たとえば、ファミリー向けマンションの相場が15万円程度だとすれば、2割ほど安い12万円前後が目安。家賃が安いうえに設備も駐車スペースも充実しているとなれば、繁華街から1~2駅離れた物件でも入居希望者は途絶えません。実際、私が手がけたデザイナーズアパートは新築以来、家賃を下げなくても入居者が集まり、利回りで見ても10%程度は確保し続けています」
【大城幸重氏】不動産投資家
高付加価値物件で高賃料を得る。こうしたスタイルは大城氏のような一棟モノへの投資に限らず、長く不動産投資を続けていくうえでも大きなメリットがある。大城氏が考える空室の出ない物件づくりの方法論は明快だ。
「実際、自分が手がけた物件に住んでみた経験もあるのですが、そうするとさまざまな不便な点に気づきました。そうして得た発見を生かして、物件を改善していく。そんなシンプルな繰り返しこそ、人気物件をつくるための何よりのコツだと思います」
“こだわり”という付加価値でオンリーワンになることは、アフターコロナではますます求められる部分だろう。「リモートワークの普及」「人口密度が低い」などの条件から、地方に注目が集まるのも追い風だ。コロナショックといえども、住居の需要が減ることはない。「地方のデザイナーズアパート投資」は、ピンチをチャンスに変える新たなムーブメントとなるか。
デザイン性の高さと住み心地の両立を追求する大城氏は、大手ハウスメーカーの見学会に通い、研究を重ねる
<資産防衛術3か条>
・高付加価値物件で高賃料を実現
・ユーザー目線で “手間?を惜しまず
・アフターコロナは、地方に追い風
【大城幸重氏】不動産投資家
投資歴:24年
資産額:5億円
デザイナーズ賃貸建築ア ドバイザー、賃貸不動産経 営管理士、FP。著書に 『高 家賃でも空室ゼロ! これ からの不動産投資は地方 の新築デザイナーズアパ ートが狙い目です 』(秀和 システム)がある。
ohshiroyukishige.com
<取材・文/椎原よしき>