不動産市況は、株式市場よりも遅れてショックの影響が表れる。芦沢氏も、リーマンショック時には、直後の’09 年よりも’10 ~’11 年に多くの物件を購入したという。
「コロナ流行の収束次第ですが、来年あたりは全体的に不動産市場は調整局面になるかもしれません」
ただし、どんなときでも良い物件はすぐに売れてしまう。手に入れるためのコツは?
「
日頃から不動産仲介業者さんと良い関係をつくっておく。それが、中古区分投資ではもっとも重要な要素です」
コロナショック渦中の 2020年3月取得物件。東京都・高円寺駅近くで575万円。利回り10.4%
<芦沢氏の資産防衛術3か条>
・現金投資でリスクを最小に
・住宅系不動産は不況に強い!
・割安物件は業者との関係性が命
競売物件を中心に独自のノウハウで不動産投資を重ね、現在100棟121室の物件を所有、5000万円以上の家賃収入を得ている「元祖サラリーマン大家さん」藤山勇司氏も、不動産競売市場へのコロナの影響についてこう語る。
「今は裁判所での入札延期などにより競売自体が大幅に減少しており、入札者も減っている状況です。ただ、
今後1~2年という期間で見れば、経済の悪化に伴い、間違いなく競売物件や任意売却物件は増えていくでしょう」
これから競売物件にチャレンジしたいという人には、1年くらいかけて現金を貯めてから、「
やどかり戦略」でトライするのが良いという。
「都内や首都圏でも場所によっては400万円くらいで購入できる競売物件はゴロゴロ出てきます。まずは、自分や家族が住む比較的狭い中古マンションを競売で購入しましょう。管理費以外の住居費が不要になるので、家賃を払ったつもりで現金を貯め、今度は少し広いマンションを購入します。その際、前の物件を売らずに賃貸に出して家賃収入を得ることがポイントです」数年かけてこれを何度か繰り返せば、安定してキャッシュを生んでくれる資産を形成可能。
「政府や日銀による現金ばらまきに加えて、テレワークや巣ごもり消費などライフスタイルの変化で、景気は悪いのに不動産価格は上がるという矛盾した現象が起こるはず」との藤山氏の言葉を信じるならば、今から準備を始めたほうが良さそうだ。
<藤山氏の資産防衛術3か条>
・「やどかり戦略」でコツコツ育てる
・キャピタルゲインよりインカムゲイ
・テレワーク、巣ごもり消費に期待
【芦沢 晃氏】技術士兼業個人投資家&大家
投資歴:25年
投資総額:4億5000万円
’90年代のバブル崩壊後、 自宅賃貸をきっかけに会社 員をしながら不動産投資を 開始。現在は個人技術士 業との兼業大家。専門は 区分不動産投資。著書に 『
少額現金ではじめる! 「中古1Rマンション」堅実投資術』(ごま書房新社)など
【藤山勇司氏】元祖兼業大家
投資歴:25年
年間家賃収入:5000万円以上
商社勤務時代に競売不動 産投資を開始。ノウハウを まとめた『
サラリーマンでも大家さんになれる46の秘訣』 (実業之日本社)をはじ め著書多数。セミナーや勉強会を通じて多くの弟子を 大家さんとして育成。
公式 サイト
<取材・文/椎原よしき>