東大卒の注目若手トレーダーが見抜いた「仮想通貨トレーダーの6分類」とは?

板を観察して気づいた「ある傾向」

「投資手法は裁量とBOTが半々くらいなのですが、コロナ相場でもBOTがうまく動いてくれました。年初から1億円以上の利益が出ています」  そう振り返るのは、昨年東京大学を卒業したばかりの俊英、あずまっち氏だ。株やFXには目もくれず、仮想通貨だけで大きな利益を叩き出している。 「投資は仮想通貨バブル真っ盛りの’17 年10月からスタート。これは儲かるなと思ったのは、『板』を観察して、ある傾向に気づいたときでした」
ロスカットを予想し急落を拾う

市場参加者の6分類のうち「ギャンブラータイプ」の売買を利用した手法。出来高を価格帯別に分析しギャンブラータイプのロスカットラインを予想。大量のロスカットによる急落は戻りやすい性質を利用し、急落した場面で自動売買に買わせて戻ったら決済

 投資家なら誰もが板を見るだろうが、その分析で差を生んでいるという。 「さまざまな取引所の板を見比べると、“歪み”があると気づいたんです。アメリカと日本で5万円ほど価格が異なっていたり、本来はもっと安く買えるのに高い価格に雑に置かれた指値があったり――。そこをついて強気に取引すれば儲かると確信し、自動で歪みを取りに行くBOTを開発したんです」

市場参加者を6タイプに分けて分析

 確信は現実に代わり最初の3か月で100万円が3000万円に。翌年以降も年間1億円の利益を稼ぐなど、仮想通貨市場を席巻している。 「板で気にすべきは、“養分”(カモ)の存在です。僕は市場参加者を6タイプに分類して、それぞれの特徴に合わせてBOTを走らせています。例えば、ギャンブラータイプはレバレッジ取引を好み、ハイレバで取引する人たち。ハイレバゆえにロスカットされることも頻繁。ある取引所で多くのロスカットが発動すると、その取引所の価格だけ不自然に急落しますが、直後に戻ることが多い。板の動きからギャンブラーのロスカットが発動する価格水準を予想し、そこに達して急落したところで買っておけば勝てる可能性が高いんです」
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雑な指値を入れる「おじさんタイプ」
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