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狂喜乱舞のコロナ相場。株も為替も原油も金も予測不能に動く市場で溺れかけた投資家諸兄も多いことだろう。しかし、そんななかでも勝利を収めた投資家たちがいた。その秘訣を大解剖!
「2回“退場”させられながらも、10年以上チャートを見続けて行き着いたのが
エリオット波動。これが私の武器です」
こう話すのは兼業投資家の
不屈のリラ侍氏。エリオット波動を武器にトルコリラ/円をなで斬りにする侍トレーダーだ。同氏が愛用するエリオット波動は数多のトレーダーを魅了してきた古典的相場理論。
「5つの推進波と3つの修正波で1つのトレンドが形成される」という見方が、その理論の基礎中の基礎。
月足で見るとトルコリラ/円は推進4波を終えて、5波目にあると考えられる。この5波目は1波の値幅と等しくなる傾向があるという。このようなエリオット波動理論から考えると、5波が終わるまでに前人未到の一桁台に突入し、8円台まで下げる可能性が……
【古典的理論エリオット波動の基礎】1つのトレンドは5つの推進波と3つの修正波で構成される。この波動はフラクタル構造になっており、それぞれがさらに小さな波動で形成される。これがエリオットの基本形
「トルコリラ/円はスワップ狙いでロングする人が多いけど、月足で見ると、誰が“カウント”してもわかる下落波動を描いている。だから、僕はひたすら売りで稼いでいるんです」
リラ侍氏のカウントによると、’13 年から始まった下落波動はまだ継続中だ。
「
’18 年のトルコショックで、最も強烈な3波が終わり、それから調整の4波が続いていました。それが終わったのは昨年末。トライアングル=三角持ち合いとなって4波が終了しました。下落トレンド時のトライアングルでは『上げ→下げ→上げ→下げ→上げ』の5つの波動を描いてから推進波の方向である下方にブレイクするのがセオリーですが、5つ目の波動はトライアングルから少しだけはみ出る。このときもはみ出しを確認して
300枚の売りを入れました」
約定価格は19円10銭。トルコリラはご存じのとおり、高金利通貨だ。
毎日1万円のスワップが差っ引かれる苦しいポジションを、リラ侍氏はその後3か月にわたって持ち続けた。
「15円50銭まで握ろうと思っていましたが、コロナショックで急落した。“副次波”の3波です」
エリオット波動理論によると、チャートは
「フラクタル(自己相似)構造」だという。月足レベルの大きな波の中には週足、日足レベルの小さな波があり、その中にはさらに小さな波が……というように入れ子の構造になるのだ。その小さな波を副次波と言う。このとき、リラ侍氏がカウントした「副次波の3波」とは
月足よりも2段階小さい、日足レベルで見た波動の3波だ。
「3月中旬に長い陽線が立ちましたが、3波の途中でこうした長い陽線が立つことは考えにくい。副次波(日足レベル)の3波が終わった可能性を考えていったん決済しました」
200万円の資金は、たった1トレードで780万円へと増加した。