高まる中国人の「リベンジ消費」欲。コロナ後に行きたい国1位は日本!「爆買い」を待ちわびる中国人の本音

気持ちは高まるが超えるべきハードルも

 ところで、一番気になるのは中国人に対する渡航解禁はいつになるのかという点だ。観光行政を取材する大手紙記者は話す。 「当初、日本政府は7月中にビジネス目的に限り、往来を解禁することを検討していましたが、はっきり決まっていない。発給済みのマルチビザ保持者の場合、効力さえ回復すれば手続きなしで訪日できると発表されており、第2段階で訪日が可能となるのは彼らになるとみられますが、その数は約190万人です。業界の想定では10月頃といわれています」  マルチビザ保持者の数は昨年の訪日中国人の2割に相当する。同ビザは一定の経済力が取得要件となっており購買力も高い。限られた者しか入国できないことで、帰国時に自慢するための見え消費や知人への土産を含めた代理購買も盛んになるだろう。加えて「真っ先に解禁されるビジネス往来も、転売業者などが目的を偽って紛れ込む可能性が高い」(前出のコンサルタント)という。  一方、渡航解禁を待たずとも、すでにリベンジ消費が日本で始まっていると見る向きも。ジャーナリストの周来友氏は話す。 「日中間のEMSが7月にも正常化するといわれており、留学生や在日中国人による転売活動が活発になるでしょう。現在、訪日外国人需要を当て込んで生産された化粧品や食材など、消費期限のある商品のセールがあちこちで行われていますが、一部の中国人転売ヤーは、EMS再開を見越して買いだめしていますよ」  じわじわと始まっているリベンジ消費。しかし、本丸となる爆買い中国人を迎え入れるには、まだまだ日本の感染状況は国際的な信頼度があるとは言えない。北京もまた第2波と思われる感染者増となっており、日中双方ともに気持ちだけは高まるものの超えるべきハードルは決して少なくないのが現実だ。

リベンジ消費「爆買い」&「殺到スポット」

<商品> ▼スタバの日本限定ボトル……コレクターの間では、新作のクジラやカメなどが描かれたカップ付きのボトルが人気とか ▼クレ・ド・ポー・ボーテ……資生堂の最高級ブランド。中国でも正規購入可能だが、日本のほうが3割ほど安いから ▼エコ・ドライブ電波時計……中国では時計といえばロレックスだったが、最近はシチズンの電波時計に人気が集まっている ▼焼き肉……「やっぱり牛肉は日本で食べる焼き肉が一番うまい」という書き込みに多数の同意が集まる ▼オムライス……インフルエンサー投稿の、シェフがオムライスを作る動画がバズったことがきっかけ <場所> ▼ちびまる子ちゃんランド……静岡市にある。ロックダウン中の暇つぶしにアニメを見た人々から「行きたい」という声が ▼京都の紅葉……日本といえば桜だったが、渡航解禁の時期を見越してか「日本で紅葉を見たい」人が増えた ▼北海道……訪れたい地域としては断トツの注目度。ロックダウンの反動で、広々した場所に憧れている!? ▼奈良公園……鹿が飢えているというニュースは中国でも報じられ「餌をあげたい」という人が多数 ▼東急ハンズ&ロフト……機能性の高い生活雑貨が豊富に揃っているので、注目度が高い。全フロアで爆買いする!? <取材・文/奥窪優木 大橋史彦 廣瀬大介 写真/時事通信社>
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