ここまで統計でみてきた通り、まるで南京陥落提灯行列のような「勝った勝った日本SUGEEEEEEEEE」と自画自賛する官邸、政府与党や、おかしな人たちがいる反面、日本は東アジア、東南アジア、大洋州諸国にみられた「謎々効果」によって助かっただけで、しかも東アジア、東南アジア、大洋州諸国の中では三大失敗国のワースト2が実態でした。
全世界が認めるSARS-CoV-2感染症の把握のための最大の道具であるPCR検査を抑制し、結果としてパンデミックの実態の把握に完全に失敗していることにより、折角偶然に手に入れた勝利すら収束の道筋が見えずに失いかねないというたいへんに危うい実態があります。
何しろ未把握の感染者が何処にどれだけいるのかが予測すらできません。その結果、今日でも新たな感染者の過半数が感染経路不明です*。これでは予測もしない場所からの感染者の多発、とくに最悪なのはそれが把握できずに拡大してしまうなどの事態が起こりえることを意味します。日本の現状は、適切な対策の積み重ねが功を奏して遂に感染者ゼロを達成したニュージーランド**と対照的と言えます。
〈*
宣言解除後の新規感染、55%が経路不明…30代以下目立つ2020/06/08読売新聞〉
〈**
ニュージーランド、コロナ感染者ゼロに-社会的距離含む措置解除へ2020/06/08 Bloomberg〉
一方、諸外国からみれば、日本から来る人間は全て徹底した検疫対象(全員14日間隔離とPCR検査)となり、それを解除することができないことを意味します。これは
再び動き出した世界の活動から日本の住人は排除されることを意味し、極めて深刻なことです。
何故この様になったのか、次回からはそこに光を当てて解き明かして行きます。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ11
<文/牧田寛>
Twitter ID:
@BB45_Colorado
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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