暴走するカリオカのトランプ、ボルソナロ大統領
Marcelo Camargo/Agência Brasil via Wikimedia COmmons(CC BY 3.0 BR)
5月25日、ブラジル最大メディアの「
Globo」はアルボラダ大統領官邸での取材には今後出席しないことを決めたと発表した。取材班が赴いてもボルソナロの支持者から罵声や怒声が浴びせられて、取材業務を安全に遂行する保障がないからだとした。
それにすぐに追随したのがブラジルで最大の発行部数を持つ
フォーリャ・デ・サンパウロ紙だった。他のメディアも同様の姿勢を取るか否か検討中だという。(参照:「
Infobae」
メディアが今回の決定を下したのも、ボルソナロ自身のメディアへの誹謗がある。例えば、5月6日に起きた出来事だ。彼に同行しての取材で、ある記者がボルソナロが連邦警察の長官を変えようとしていることについて質問すると、ボルソナロは「口をつむげ!そのような質問は受けない」と憤りながら返答をした。それも彼の支持者に囲まれた中での彼からの無礼な返答であるが故に支持者がそれに便乗して記者に危害を加えるのも容易な状況にあったという。(参照:「
El Mundo」)
ボルソナロにとってメディアは敵でしかない。4月22日の閣議の様子を録画したビデオを最高裁判事セルソ・デ・メロは一般公開することを許可した。ブラジルの誰でもそれをテレビで見ることができるようになった。このビデオでボルソナロは「
連邦警察の長官を変えることが出来ないのなら、大臣を変えてやる」と言っているのが明らかにされている。大統領の権力の乱用と越権行為が明らかにされたビデオである。
それに対しても、ボルソナロはツイッターとファイスブックを介してセルソ・デ・メロ判事がこのビデオの公開を許したのは違法行為で逮捕するに値するものだと述べたのである。ボルソナロの見解に賛成するかのようにウエイントゥラウブ教育相も最高裁判事は刑務所に送られるべきだと表明。
ボルソナロからの批判に対してセルソ・デ・メロ判事はビデオの内容は明らかに犯罪に繋がる内容のもので、セルジオ・モロ前法相の弁護にはその公開は正当づけられるものだとした。そして、ボルソナロが指摘していたビデオの公開は国家の安全を損なうものだという見解を退けた。(参照:「
El Pais」)