実際にどれほどの対策を講じているのか。千葉県のパチンコ店数店に訪れてみた。
●総武線主要駅徒歩1分圏、500台クラスの中型店A
●総武線主要駅徒歩3分圏250台クラスの小型店B(A店とは別の駅)
●千葉市中心部にある500台クラスの中型店C
すべてのパチンコ店では、
入場口を1カ所に限定し、客の
入店時の消毒とマスク着用の義務化が徹底されていた。中型店のAとCでは、入口のドア付近にフェイスガードを着けた専門のスタッフが立ち、
手指の消毒を補助し、また
非接触型の体温計による検温も行われた。Bでは検温は無かった。
全店とも、店内
スタッフは全員マスクと手袋を着用。
空いた遊技台の消毒作業は欠かさず、消毒が終われば「
消毒済み」のカード等を遊技台ごと客に分かるように掲示している。
客が出玉を交換するカウンターには、
飛沫感染防止用のビニールシートが貼られており、足元には距離を取るための
立ち位置シールが貼られている。
喫煙室の利用人数は極端に制限されていたし、C店では
店内喫煙室は閉鎖されていた。
遊技台や店内のBGMの音量は無くすか最大限小さくすることを業界のガイドラインは求めているが、実際にどれほど対策をしているのか、客が少ないせいもあり正確には分からなかったが、
いつものパチンコ店と比べれば驚くほど静音化された空間であった。C店では、
トイレの自動ドアのボタンに客が接触しないよう、センサー式に切り替えられていた。
しかし実際に遊技台コーナーに移動してみると、業界のガイドラインであれば「遊技台の間に飛沫感染を防ぐボード等を設置するか、または一台置きに稼働(間引き営業)させるか」の対策を講じなくてはならないはずなのに、
実際に守られていたのはA店だけであった。
A店は、パチンコは遊技台の間に飛沫感染防止ボードを設置し、パチスロは一台置きに営業していたが、B店はパチンコ、パチスロ共に台間の対策はなく、C店は
パチンコ台は対策を講じていたものの、パチスロ台は対策なしで一部人気機種のコーナーでは客同士が密接しながら遊技をしていた。
総じて言えばA店のみが業界ガイドラインを遵守しており、他の2店はそうではなかった。
パチンコ店のコロナ対策におけるキモは、
遊技客同士の距離である。遊技台と遊技台の間に、
飛沫感染を防止するためのボードやビニールシートを設置するか、もしくは一台ずつ間を空け(電源を落とし)客同士の距離を取るのかの二択しかない。
長期間の休業で落ち込んだ売上を取り戻すため、1台でも多く遊技台を稼働させたいのかも知れないが、「どうせ客は少ないんだから大丈夫」などとガイドラインの対策を軽んじることなかれ、一時の欲が取り返しのつかない過ちを引き起こしかねない。
火急。即刻襟を正し是正してほしいものだ。
<取材・文/安達夕>