コロナは婚活にダメージだけ与えているわけではない。不倫をやめて、婚活に目覚めた女性もいる。
「2年にわたる不倫をやめました。濃厚接触したくないといっても、しつこく誘うからです。もし感染したら仕事がなくなるといっても、自分の性欲ばかり優先するオレ様でした。別れた途端に結婚願望が膨らんだものの、コロナで合コンもパーティーもない。がっかりしていたら友達からzoom飲み会に招待されました!男女3人ずつで、まるで合コンみたい。チャットで連絡してきた2歳上の男性と、やりとりを楽しんでいます。収束後のデートに誘われました」(29歳女性・アロマ整体マッサージ師)
もともと婚活に消極的だった人は、さらにやる気をなくしている。
「コロナのせいで、“相手を選ぶ”時間が長いと、圧倒的に女性のほうが優位ですよ。複数の男性とやりとりをして、そこから本命一人を決めることができるのですから。一方、男性は複数の女性とデートしたいと焦るものの、外出自粛のためデートできない。外デートしている友人(男)も知っているけど、僕はそこまでやる勇気がない」(35歳男性・ウェブディレクター)
「これまであまり婚活をしていなかった。2つ年下の妹が焦っているのを見ていると、今、婚活に焦っている人は何をやっているんだろうと思ってしまいますね。婚活よりまず、仕事がどうなるのか、生活はどうなるか。おそらく世の中が不況になると推測されるので、そうなると結婚を考える余裕がますますなくなる気がしますね」(30歳女性・SE)
現在、恋人がいる人たちは結婚についてどう考えているのだろうか。コロナを乗り越えてめでたくゴールインとなるのか、それとも社会不安で結婚を先延ばしにするのか。
「コロナの前から付き合っていた彼女と、コロナが収束してから結婚しようと約束しましたが、将来に対する不安でいっぱいですね。先行きが不透明だから、結婚に対して、後ろ向きに前進しているって感じ」(製造業男性・31歳)
「私は彼氏と時々会っているけど、結婚するかどうかはわからない。コロナが収束しても将来が不安だから、彼氏がいるのは、うれしい。友達は出会いがないといって、出会い系や婚活アプリにはまっています。20代はモテモテだって」(26歳・ITサービス業)
「5年前に離婚してから、複数の女性と付き合ってきたが、非常事態宣言が発令されてから、本命を決めた。彼女は結婚したいと言っているが、結婚はコロナが収束してから決めたい」(不動産男性・45歳)
東日本大震災後には、“絆婚”と呼ばれる結婚が増えた。一方、「コロナ婚」と命名される結婚が増加するとすれば、非常事態宣言が解除され、徐々に経済活動が再開され、雇用が安定し、社会が落ち着いてきた頃と予想される。だがそれまでの道のりは、長いだろう。婚活が忍耐の時期に入っているため、パートナーを探すという情熱こそ、あきらめない婚活へと導くであろう。
<取材・文/夏目かをる>