松本:最後に、コロナがいつ収束するか見通せませんが、秋には都構想住民投票が予定されています。吉富さんの見立てではどういうスケジュールで進むでしょう?
吉富:予定通り11月1日に住民投票をやるでしょうね。維新は目的と手段がひっくり返り、住民投票をすることが目的みたいになって、前のめりになっているからね。
さっき言ったように、「大阪モデル」の出口戦略には経済回復の目的はもちろんあるけど、それとは別の意図がある。
コロナ禍の「終わり」ありきで、早く収束させ、住民投票をやる。これが維新の狙いだと思います。
松本:コロナの影響や感染の不安が残る中で、2015年の住民投票のように賛成キャンペーンの集会や街頭活動をバリバリやれるんでしょうかね?
吉富:運動のやり方は、その時のコロナ収束の状況次第でスケールダウンするかもしれない。でも、住民投票をやるのは間違いないと思う。
松本:都構想で大阪は成長する、豊かになる。その起爆剤はカジノであり万博だ。カジノがあればコロナ禍からもV字回復できる、みたいな宣伝をするんでしょうかねえ…。
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吉富 有治:金融専門誌、週刊誌の記者を経てフリーランスのジャーナリスト。著書に『
緊急検証 大阪市がなくなる』(140B)、『
大阪破産』(光文社)、『
大阪破産からの再生』(講談社)など。
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松本 創:神戸新聞記者を経てフリーランスのライター。著書に『
誰が「橋下徹」をつくったか』(140B)、『
軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)など。
<構成・対談コーディネート/青木雅幸(
140B)>
大阪の出版社
140Bの“販売隊長”。販売と経理業務の合間に自分にしか作れない本も世に出そうと長年親交のあったエッセイストの入江敦彦氏から140Bホームページへの連載を奪取、2018年1月の発売の『
京都喰らい』に結実させた。また、ときに気に入った本のためなら自社の本に限らず奔走する情熱を持つ