マフィアの起源とされるシチリアのパレルモ。(写真はイメージです)
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イタリアにはもともと1000万人が貧困者として存在していたが、コロナウイルス感染拡大で貧困者が増えている。
イタリアが封鎖されてからほぼ2カ月が過ぎた。商取引もできない状態だ。それで資金繰りで困っている人が多くいる。それを反映させてローマ市内の質屋の前に長蛇の列ができている。ゴールドや宝石のようなものを担保にお金を借りるのだ。イタリアでは各家庭は平均して7つの宝石を所有しているという。
イタリア国立銀行から認定を受けている質屋モンテ・デル・ペーニ(Monte del Pegni)の入口の前には朝方6時から列が出来、8時ころまでに30-40人がいつも列をつくっている。9時から受付が始まって午後1時まで営業している。僅か4時間の営業では並んでいるお客の全員に応対できるわけにはいかない。そのため翌日も列に並ばねばならなくなる人も結構いるという。(参照:「
ABC」)
因みに、アッシジの聖フランシスコが布教活動をしたペルージャで高利貸しの犠牲にならないようにと願って1462年に誕生したのがこのモンテ・デル・ペーニだ。
銀行ではなく質屋を利用するのは預ける担保の品と身分証明書だけで手続きが済むからだ。そして直ぐにお金が手に入る。銀行ではそうは行かない。融資されるまでに色々と手続きを踏まねばならないから時間がかかる。
イタリアで最大のファイナンシャル・サービスを提供しているアフィデ(Affide)では最近お客が3割増えたという。支店の場所によっては5割増しだそうだ。
モンテ・デル・ペーニはちゃんとした融資業者である。ところが、この経済危機を利用して
マフィアの動きが活発になっている。
マフィアのことについて熟知している著名なジャーナリストで作家のロベルト・サビアノは「彼らはこの危機を利用して無金利で融資をしている。
見返りに色々なことを頼むためだ」と語って、マフィアの動きに警告を発している。更に、彼は「EUが早急に支援に入らない場合は、マフィアの資金が急激に市場に出回るようになる」と警告して、ブリュッセルにとっても問題となることを指摘した。
同様に、彼は「
マフィアは何をすべきか、何が不足しているのか、ということを良く知っている。彼らの条件でそれを提供するのだ」と語り、この数年で医療分野でもマフィアが上層部にまで侵入していることを指摘した。