UberEATSなくとも、LINE含む3社が群雄割拠。タイのフード・デリバリーアプリが都市封鎖で盛況

コーヒースタンドもメニューと同じ値段で配達料不要

こういったコーヒースタンドもメニューと同じ値段で配達料不要で届けてくれる

タイもスマホなしでは生きにくい時代

 日本や欧米から見て東南アジア諸国は様々な点において遅れているという印象を持っている人も少なくない。しかし、その印象は時代遅れになりつつある。日本人に人気のタイを見ると、たとえばスマートフォンの普及率は、Googleの調べでは2016年時点で70%とされている。単純比較は難しいが、日本のスマートフォン所有率は日経新聞の昨年11月13日に掲載された記事によると77%になったとのことなので、タイのスマートフォン利用率は日本や欧米と比較して遜色ない。  そんなタイでは最早スマートフォン、あるいはアプリを使いこなせないとただ損をするばかりという時代に入っている。日本ならネットで節約術が紹介されているが、タイでは記事から学ぶより、実際にアプリをダウンロードし、実践で善し悪しを決める。自分に合わなければほかのアプリにすぐさま乗り換えるくらい、スピード感のある生活をしている。

アプリを使いこなせないと損するタイ

eatigoのPC版サイトのトップ画面

eatigoのPC版サイトのトップ画面

 たとえば「eatigo」というアプリがいい例だ。これはタイ発の飲食店のクーポンアプリで、2013年に登場した。今や中流階級以上の人、タイ在住の外国人の多くが利用している。  このアプリは、提携する飲食店を画面から予約すればたちまちディスカウント料金で食事が楽しめるというものだ。それなりに高級なレストランが多く、ホテルのブッフェなども利用できるほか、このアプリだけのプロモーションも用意される。  タイを始め、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インド、香港、韓国で展開する。予約の時間帯によって割引率が変動しているので、ユーザーにとってはより安く高級レストランを楽しめ、レストラン側としては空いている時間帯にも顧客を得られるメリットがある。
eatigoのPC版サイト

eatigoのPC版サイト。時間帯ごとにディスカウント率が表示され見やすい

 こういった生活に密着したアプリがタイは充実し始めており、スマートフォンなしで生活することは、すなわち生活費のコストアップになってしまうほどになる。日本でいうところのガラケーのような古い携帯電話端末では生きづらくなっていると言っても過言ではない。  タイはスマートフォンによる決済サービスも充実している。日本でも電子マネーが広まりつつあるが、タイもそのスピードが速い。今や屋台でも利用できるほどで、タイのスマートフォンユーザーの大半がなんらかしらの電子マネー決済アプリを利用していると見られる。  決済サービスについては以前書いた記事で紹介したが、その後、タイの銀行が提供するアプリが日本でも使えるようになっているなど、タイ国内だけでなく海外旅行を楽しむタイ人が海外でも支払いをしやすい環境をタイ政府と民間が共同で提供している。
タイの銀行のアプリが日本でも使える

タイの銀行のアプリが日本でも使える。一番最初に提携したのが東京・御徒町のディスカウントストアと言われる

 クレジットカードの普及率が低いのも決済アプリが充実する理由のひとつかもしれない。そのため、クレジットカードを登録しなくても利用できるアプリも多い。
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Uber撤退でも活況のデリバリーアプリ
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