「PCR検査2万件やるとは申し上げていない」安倍総理の無責任発言を庇って、過去の発言を捻じ曲げる加藤厚労相
「途上国レベル」とまで糾弾された日本のPCR検査の少なさ
質問に対する加藤厚労相と安倍総理の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。
<色別集計・結果>
●加藤厚労相:赤信号
88% 灰色12%
●安倍総理:赤信号
83% 灰色17%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない
2人そろって赤信号が8割台という驚異的な割合を占めている。つまり、質問には一言も答えていない。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
実際の映像は筆者のYoutubeチャンネルで視聴できる。
どうやって、いつまでに検査2万件を実施するのか?
小池晃議員:「どうやって、いつまでに2万件検査を実施するんですかと聞いてるんです。」
加藤厚労相:「ですから、私は申し上げてるのは医師が必要とする判断が、あー、医師が必要とす、必要とした検査が行われるということでありますので。別に2万件の能力があるから、あー、2万件やるということを申し上げている訳ではありません。(赤信号)
そして、今、今あるのは1.5万人、今の、今ある能力は、今、1.5万件ですから、その能力を2万件に上げるための予算。従ってPCR機器の購入費等々支援する。これは今回の中に入れておりますので、それを使って、えー、ち、ちえいけん、地方の衛生研究所、民間の検査場等々が入れて頂くことによって、今1万5000に上がってきた能力を2万に、を超える能力にすると。これはもちろん能力としての向上は図っていく。(赤信号)
そして、一方で検査実態別能力がある数を検査するのではなくて、医師が必要とする検査がしっかり実施できる状況をつくっていくということであります。(赤信号)」
加藤厚労相の答弁は3段落全てにおいて論点をすり替えており、赤信号とした。
1段落目
【質問】検査2万件実施の時期と方法
↓ すり替え
【回答】検査2万件実施の定義
2段落目
【質問】検査2万件実施の時期と方法
↓ すり替え
【回答】検査能力の向上
3段落目
【質問】検査2万件実施の時期と方法
↓ すり替え
【回答】検査実施の判断基準
問題の発言があった1段落目。「2万件の検査能力がある」ことと「2万件の検査を実施する」ことは別であるという詭弁を堂々と述べている。その根拠として、2万件の検査能力は十分にあったとしても、医師が必要とした場合のみに検査するので、実際の検査数が2万件に届かないことが起こり得るという主旨の答弁をしている。だが、医師が必要と判断しても検査できないケースが多数報告されていることは周知の事実であり、この主張はさすがに無理があるだろう。
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