「PCR検査2万件やるとは申し上げていない」安倍総理の無責任発言を庇って、過去の発言を捻じ曲げる加藤厚労相

現実をまったく認識していないかのような安倍総理の答弁

 続いて小池晃議員は安倍総理に対して、医師が必要と判断しても検査できない現状の体制を抜本的に変えるべきだと訴える。その質疑は以下の通り。 20200430 qa2小池晃議員:「先ほど大臣はですね、本当に必要な場合は検査するっていうふうに答弁したんですよ。私はね、それがいけないんだと思いますよ。本当に必要な場合などと言うから熱が続いて呼吸状態が悪化するまで検査を受けられない。軽症だからと自宅で過ごしていたら急激に呼吸状態が悪化してようやく検査を受け、陽性と判定された時には集中治療室で人工呼吸器に繋がれている。そういう事態が続いているわけですよ。総理、本当に必要な場合などと言って重症になるまで検査しなかった今までのやり方を転換するとはっきり言うべきではありませんか。少しでも症状があって医師が必要だと判断したらすぐさま検査するんだとそれを原則にするんだということをこの場でハッキリ言ってください。」 安倍総理: 「あのー、ま、私が申し上げてるのではですね、えー、医師が必要と判断すればPCR検査を、えー、受けられるようにしていくということでございます。ま、これが、あのー、政府の、おー、基本的な考え方であります。赤信号)」 小池晃議員:「そうなってないでしょ。なってないんですよ。担当大臣が本当に必要な場合なんて言うんですよ。それが実態としては現場で、本当に必要だ、肺炎直前まで検査しない、なんてことが行われちゃうわけですよ。それではいけないじゃないですか。」  理由を解説するまでもなく、総理の答弁はもはや虚偽答弁と言って差し支えない内容であり、赤信号とした。あまりにも事実とかけ離れた内容を総理が平気で答弁している様子を見て、総理は本当に実態をまるで把握できていないのではないかと不安になる。 <文・図版作成/犬飼淳>
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
1
2