GW明け、千葉・茨城のコンビナート定期修理で他県から計30万人が流入の可能性も。新型コロナ感染拡大対策は大丈夫なのか?

鹿島のコンビナート

写真は、千葉県以上に作業員数が多く流入する鹿島のコンビナート
northsan / PIXTA(ピクスタ)

千葉のコンビナートで予定されている大規模定期修理

 筆者がつい先日、千葉県に住む知人男性からの電話を取ると、こんな怒鳴り声が聞こえてきた。  「東京のお前ら、GWに千葉に来るな。田舎のことわかってんのかよ! 村八部だぞ」。  千葉県にある房総半島の住民の間では、新型コロナに感染したら村八分になるという訴えだった。    他にも筆者の元に、千葉県のある工場に勤務するA氏から悲痛な叫びが届いた。なんと千葉にあるコンビナートのメンテナンス、大型定期修理で約1万人の作業員が他県からやってくるというものだった。  コンビナート業界ではこの時期、大型定期修理が集中する。各企業のコンビナートでは、今年も定期修理が計画されている。  一般に定期修理は定修と呼ばれ、コンビナートではたいてい春からがハイシーズンで夏前に終わらせる企業が多い。  定修には小定修と大定修の2種類があり、1年ずつ交互に行われるが、大型定修の場合、約一か月以上かけて行われる。定修の作業員は、全国のコンビナートを周るため約1か月~2か月ごと各地を渡り歩くのが常だ。  表立った場所で行われるわけではないので、房総のドライブ客や沖縄の観光客と違い一般の目には触れないが、大型定修計画による感染リスクは、他の工業地帯でも起こっていることだと思われる。

千葉県側は「各事業者の判断に任せる」

 コンビナートの定修について千葉県の担当部署に問い合わせしてみたところ、このような回答を得た。 「延長の通知が国から正式に来たので、定修・保安検査などの延長は四か月伸ばすことが認められている。法律に基づいて、期間内にできないのであれば期間の延長申請を認めている。時期を伸ばすことは法律上可能だが、緊急事態宣言がでたからといって(県から)企業側に延長を要請すること自体はない。各事業者の判断に任せている」  届け出があれば延長できるが、すべて企業任せ。大量の作業員が流入する影響に関しては興味がないように感じられた。  筆者がA氏のいう千葉のコンビナートを調べてみたところ、定修を計画しているのは千葉県市原市にあるコンビナートと判明した。
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一方、28万人の作業員が流入予定の茨城
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