GW明け、千葉・茨城のコンビナート定期修理で他県から計30万人が流入の可能性も。新型コロナ感染拡大対策は大丈夫なのか?

一方、28万人の作業員が流入予定の茨城

 該当する企業に聞いてみると、「定修は予定通り行われる」との回答を得た。少しつっこんで、なぜ中止しないのか?という質問を投げかけると、 「社会のインフラとしてみなさま公共の物資の粗原料になるものなので、継続して生産するように政府や県から要請されているため、(定修の計画を)継続しています。定修を行わないと安定したものが作られないので、いまのところ予定通りです。懸念されている感染に関しては作業員の距離をとったりとか、いろいろな感染防止を務めるようにしております」との回答。  定修期間中に1万人が流入するという事態については、 「延べ人数で1万人ならわかるが、せいぜい1日最大でも3000人程度」と、それほど人数に関しては重要視していない様子だった。「千葉にはコンビナートがたくさんあるので、そのすべての定修をあわせたら何万人になるかはわからない」とも。  一方で、茨城県神栖市の工業地帯にあるコンビナート等の企業が加盟する団体、鹿島東部コンビナートでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため4月に行う予定だった定修の開始時期を5月に規模縮小したうえで行うと発表している。  当初予定していた延べ33万人の作業員を28万人に減らしたうえで、1日の作業員も最大8100人に減らすという。しかし、1万人どころか30万人近くの作業員が茨城県に流入するという衝撃の事態だ。

感染予防対策は万全に行うとしているが……

 鹿島東部コンビナートでは、すべての作業員に2週間前からの体温検査や医師による事前診断を必須にしており、その上で定修の期間中は夜間の不要不急の外出や公共交通機関での移動を自粛することなどを求め、感染予防を行うという。  予防策は万全といいたいところだが、この時期、数十万人もの作業員が千葉・茨城に流入するのは感染拡大の原因にもなりかねず、住民の中でも不安が渦巻いている。懸念される事態にならないと良いのだが……。    しかしこれは氷山の一角、全国各地の目に触れないところで、このような感染拡大の原因ともなる事態が潜んでいるに違いない。 <取材・文/小出平走歌>
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