こうして小池知事は会見回数を急増させ、「やっている感」の演出に精を出すと同時に、“不都合な真実”の隠蔽改竄にも励んでいた。都のホームページに掲載される知事会見動画では、会見が終了したとたんに音声が消えるという編集操作を施していたのだ。
筆者の声掛け質問を“闇”に葬る作業ともいえるが、都知事選で掲げた「透明化」と正反対の行為であるのは言うまでもない。
4月15日の臨時会見では、都報道課職員が会見前に「記者会見のお知らせ」と銘打った文書を配布。そこには
「会見室内での質問は、知事又は司会者からの指名を受けた上で行ってください。会見室内で、けん騒な状態を作り出すことは慎んでいだだき、都職員の指示に従ってください」と記載されていた。
会見終了後、報道課職員が声かけ質問をした筆者を呼び止めて、配布文書の内容を確認することを要請。「会見室内で、けん騒な状態を作り出すことは慎んでいただき、都職員の指示に従ってください」との文言に違反していると指摘した。
これに対して筆者は
「20回以上指名なしへの対抗措置である」と反論、この文書違反で出入禁止にすることは質問権はく奪に等しいと抗議した。逆に、恣意的な指名を止めるように小池知事に伝えるようにと改善要請を行った。その後も声掛け質問をしているが、出入禁止にはなっていない。
総理会見で質問内容を事前に調整する“やらせ”がバレた安倍首相と、お気に入りの記者だけを指名して都合の悪い記者の排除を続ける小池知事は、まさに瓜二つだ。“不都合な真実”を隠蔽改竄しようとする部分も似た者同士。彼らのコロナ関連の発言については、「実効性があるのか」「パフォーマンスではないか」「言行不一致ではないか」などと、今後も厳しく検証していく必要がある。
<文・写真/横田一>