コロナ禍で割りを食う歌舞伎町ネカフェ難民の寝床。“帰る家”がない!

女性“難民〟の寝床に密着!

 4月11日(土)と12日(日)の2日間、東京都はネカフェ難民を対象に、一時的な宿泊場所としてホテルの部屋を確保した。  受付窓口は、歌舞伎町の東京都健康プラザハイジア3階の「チャレンジネット」。ビルの裏口から、大きな荷物を抱えて出てきた女性に声をかけてみたところ、ホテルを紹介してもらったという。 「日雇い派遣で働きながらネカフェに泊まっていたんですけど、休業になってしまって。チャレンジネットが難民用にホテルを確保したって話をツイッターで見て、近場だったので利用したんです。申し込みの際は、氏名、生年月日、連絡先の携帯番号を書かされ、預金額と手持ち金を聞かれました」  だがすぐにホテルに入れたわけではなく、まずは一時住宅への入居を勧められたという。 「都が借り上げているワンルームマンションを、一泊500円で3か月間、貸してくれるんですよ。安い部屋に住みながら働いてお金を貯めて、自立を促す制度らしいです。魅力的だと思いましたが、安すぎるのが怖くて、ホテルの一時利用を選びました」  紹介されたのは至近の歌舞伎町内のビジネスホテル。翌日、ホテルに泊まった感想を聞いてみた。 「ロビーには私のような男女が数人待たされていて、順に部屋に案内されました。ベッドとテレビだけのシンプルな部屋ですけど、完全個室でバスタブもあって、天国でした」
歌舞伎町ネカフェ難民の寝床

ホテルのロビーに列をつくる“ネカフェ難民”。検温等の健康診断のあと、部屋へと案内された。シングルルームを利用できたが、大浴場は使用禁止にされたという

 さらに、夕食と朝食も無償で提供された。 「いつもカップラーメンばかりだったから、夕食の肉大盛りの牛丼弁当がうれしかった。こんなにお肉を食べたのは久しぶりです。朝食にはめかぶがついていて、久しぶりの味に感動しました」  一時的な施しでリフレッシュできたものの、彼女は「ずっとは泊まれないから、知人の家を当たります」と不安げだった……。 歌舞伎町ネカフェ難民の寝床
歌舞伎町ネカフェ難民の寝床

夕食では松屋の「プレミアム牛丼弁当」、朝食は焼き魚、卵焼き、ハンバーグなどが入った「幕の内弁当」が。各自がロビーに下りて受け取る方式で配布された

<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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