なぜか湧き上がる「橋下徹総理待望論」。そこで彼の過去発言を振り返ってみた

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2013年の第23回参議院議員通常選挙で応援演説をする橋下徹
(写真/雪融 via Wikimedia Commons

確かに安倍政権は最悪だが……

 先日、ネットで「これが対コロナ最強布陣『橋下総理、小池長官、吉村厚生相』」という記事を見かけた(「PRESIDENT Online」)。新型コロナウイルスに対する安倍政権の動きを批判。「今、求められる内閣の『最強布陣』を探った」とのこと。  たしかに安倍政権は最悪だった。われわれは日本が崩壊していく過程をリアルタイムで目撃してきた。不道徳な政権を7年以上も放置すれば、当然こういうことになる。自称保守やネトウヨ、安倍信者の一部は見切りをつけて、泥船から逃げ出し始めたが、これで一件落着ということにはならない。社会の空気が腐っている限り、同じようなものが持ち上げられるだけだ。  災害が発生し、社会が混乱すると、それに乗じて悪事を働こうとする人物が出てくる。歴史を振り返ればそれが常だ。  この記事も怪しい。執筆者は「麹町文子」となっているが、実在の人物なのか?  プロフィールには「政経ジャーナリスト。1987年岩手県生まれ。早稲田大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーランスとして独立。婚活中」とあるが、橋下徹の持ち上げ方が普通ではない。  記事には次のような文言が並ぶ。 「首相は橋下徹、一択だ!」 「歯に衣着せぬ発言は物議を醸し、時に横暴との批判もつきまとうが、批判を恐れずに核心を突いていく「突破力』は有事のリーダーには欠かせない能力といえる」  その他、官房長官に小池百合子、厚生労働相に吉村洋文、さらには内閣官房参与として、百田尚樹高須克弥の名前を挙げていた。  どこまで本気なのかよくわからないが、橋下が書いた記事を大量に載せている「PRESIDENT Online」なので、政界復帰のタイミングをはかるためのアドバルーンの可能性もある。  私には「最強布陣」というより、現時点で考えられる「最悪の布陣」にしか見えないが、それでも世の中には「橋下総理」を望む声もある。  そこで、橋下の政界復帰の是非を考える上で、参考になる資料を提示することにした。  議論は事実をもとに積み上げなければならない。維新の会支持者の方も、まずは事実を知るべきだ。  以下、橋下の過去の発言を、項目別に分類した。

橋下の日本に対する発言

「日本国民と握手できるか分からない」(※2013年5月18日 ZAKZAK Internet Archive) 「日本をグレート・リセットする」(2012年1月3日 ※本人Twitterなど) 「国は暴力団以上にえげつない」(2008年11月28日 ※朝日新聞) 「日本の人口は6000万人ぐらいでいい」(2009年の講演で 「能や狂言が好きな人は変質者」(2002年5月15日TBS「サンデージャポン」) 「(近松門左衛門原作の『曽根崎心中』を鑑賞して)演出不足だ。昔の脚本をかたくなに守らないといけないのか」「演出を現代風にアレンジしろ」「人形遣いの顔が見えると、作品世界に入っていけない」(2012年7月26日、27日 ※2012年7月28日msn産経の魚拓) 「自称インテリや役所は文楽やクラシックだけを最上のものとする。これは価値観の違いだけ。ストリップも芸術ですよ」(2012年8月12日 ※本人Twitter) 「(大阪について)こんな猥雑な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい」(2009年10月29日 ※讀賣新聞のInternet Archive) 「小さい頃からギャンブルをしっかり積み重ね、全国民を勝負師にするためにも、カジノ法案を通してください」(2010年10月28日 ※朝日新聞
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政治観、そして女性観
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