赤木さんの手記が載った『週刊文春』3月26日号と筆者
そんな安倍さんのことを、この方も心配している。亡くなった赤木俊夫さんの妻、昌子さん(仮名)のお母さん。俊夫さんにとっては義母にあたるが、お母さんは俊夫さんと仲良しで、よく一緒に旅行や行楽に出かけていたという。俊夫さんが手記で「大好きな義母さん」と書いている方だ。
俊夫さんのことを「財務省に殺された」と語り、「財務省に鉄砲持って乗り込みたい」とまで怒り心頭のお母さんだが、安倍総理のことは今も「安倍ちゃん」と呼ぶ。「安倍ちゃんもかわいそうよね」と。
ですが、安倍総理を支持している皆さん、ご安心ください。安倍総理の足元は微塵も揺らいでおりません! 首相官邸の足元にあるこのお店に、安倍総理の記事が掲げてある限り。
誰が何を言おうと、どんなことがあろうと、安倍さんを断固支持する。それが草の根安倍シンパというもの。赤木さんの義母さんが「安倍ちゃん」を「かわいそう」と言う心理と似ているのだと思う。
その草の根支持がある限り支持率は落ちず、安倍総理は安泰だ。安倍総理の治世は永久(とわ)に続くことだろう。千代に八千代に、さざれ石の巌(いわお)となりて、苔のむすまで。
もっとも安倍総理が安泰でも、我が国が安泰とは限らない。コロナも、森友も、赤木さんのことも。こんなに深刻なのに、なぜか笑えることばかりする安倍政権。
【文/相澤冬樹】