では、上記で解決できない場合にはどうしたらいいでしょうか。
2.「直感的解決法」
例えば
人生の選択肢に迷うときや、
自分がどうしたいのかわからないとき、上記のような論理的な方法では解決できないこともあります。そこで上記方法を補完する手法として、
「直感」に頼って解決する方法、(「
直感的解決法」と呼びます)を2つほどご紹介したいと思います。
ひとつめは、『
理想の自分になれる法:CVという奇跡』(
シャクティ・ガワイン)で紹介されている方法です。
・まずは
目を閉じて楽な姿勢をとります。そしてあなたが心から
リラックスできる、秘密の場所に自分がいるところを想像します。秘密の場所のなかには、遠くまで続いている道があって、その道の向こうから、誰かが近づいてきます。その人物こそ、あなたの
人生を導いてくれる「ガイド」です。
・「ガイド」に自分の
悩みを打ち明けて、アドバイスを求めましょう。そしてアドバイスをもらったら、お礼を言って、目を開けます。
やや
スピリチュアルな方法に思えるかもしれませんが、私の経験上、これも
かなり効果的な手法です。
例えば、心理実験などで被験者の本音を探るときに、何らかの行動をしている人物と、空欄の吹き出しが書いてある紙を見せて、空欄のなかにその人物が喋っているであろう台詞を被験者に想像してもらい、埋めさせるという手法があります。そして多くの場合、その台詞の内容こそが、
被験者自身が思っていることだったりします。
つまり「第三者が喋っている」という体をとることで、
自分の口では言いにくい本音なども吐露することができる、というわけです。上記の方法も同じで、「ガイド」がアドバイスしてくれることこそ、自分の本音、自分が本当はやりたいことに該当するのです。
2つめの方法は、ハリウッド映画、テレビのライターやディレクター、インディペンデンド映画やドキュメンタリーの監督など、さまざまな活動を続けている、
ジュリア・キャメロンが紹介している「
モーニング・ページ」という方法です(彼女の著書、『
ずっとやりたかったことを、やりなさい。』より)。
・「モーニング・ページ」とは簡単に言うと、ノートを用意して、その
ノートの「3ページ分」、心に浮かんでいることをそのまま書いていくことです。
・3ページ分の余白を埋めさえすれば、卑劣なこと、愚かなこと、馬鹿げたこと、奇妙なこと、
どんなことを書いても構いませんが、必ず「3ページ分」書きます。書くことが思いつかない場合は、「書くことが思いつかない……」とひたすら書き続け、
とにかく3ページを埋めるのです。
・これによって、
創造性をせき止めている論理的な脳を停止させ、アーティスト脳を自由に働かせるクセをつけられ、自分の内部の知恵の源とつながるようになると言います。
キャメロン自身は、特に「悩みを解決する手法」として上記を紹介しているわけではないのですが、実は私自身が悩んでいたときに、この「モーニング・ページ」を試してみたところ、書いているうちに急に解決方法が思いついて、あっさり悩みが解決されたという経験があります。以来、悩みを抱えると上記の方法で解決しているのです。
やってみるとわかるのですが、
ノート3ページ分を埋めるというのは想像以上に大変な作業です。そのうち、書くことがなくなってきて、上っ面の自分が消えていき、徐々に
自分の隠していた本音が見えてきたりします。そして自分の
本音がわかったら、解決方法もすぐに見えてくるものです。
そもそも、人生全体に関わる悩みの場合、絶対的に正しい選択肢というものは存在せず、そこにあるのはただ「
本当は自分はどうしたいのか?」という問題だけです。けれども、自分の本音ほどわかりづらいこともないわけで、そんなとき、上記のように「
『ガイド』の口を使って喋らせる」とか、「
ノートにひたすら文章を書き連ねる」という方法をとることで、本当は自分はどうしたいのかが見えてくるというわけです。
どれもとても簡単な方法ですので、皆さんも悩みを抱えたときに、ぜひ試してみてください。
<取材・文/高田晋一>