「漂白剤がコロナに効く」デマは死に至る危険性も。内服薬以外の化学薬品は飲むな食べるな混ぜるな

お薬以外の化学薬品は飲むな食べるな

 19世紀、20世紀は化学の世紀と言っても良く、化学工業の発展で人類の生活はたいへんに快適になりました。現在全人類がおこなっている「見えない殺人者との闘い」においても化学は大きな力となっており、大きな犠牲を払ってでも必ず勝利するでしょう。  しかし化学薬品は用法、用量を誤ると簡単に人を殺します。  人間の体の中に入れてよいのは、「お薬」(内服薬)と「調味料」「食品添加物」のみで、それらも厳密に処方、用法、用量を守った上での事です。  例えばエチルアルコールですが、これはお酒の主成分です。しかし、99%アルコール(無水アルコール)には、共沸のためにかつてはベンゼンが、現在もペンタンが添加されています。ベンゼンは発がん性が強く、ペンタンもとても体の中に入れるものではありません。おなじエチルアルコールでも飲用とそれ以外では異なります。  かつて大規模な食品公害を起こした森永ヒ素ミルク事件でも、粉ミルクの安定剤として、食品用の第二リン酸ソーダでなく、工業用の第二リン酸ソーダを用いそれに高濃度のヒ素が混入していたことが原因でした。  同じ名前の薬品でも、食品用と工業用、試薬用、薬用では製法や成分、不純物が異ります。  化学薬品は、生活の中に浸透しており、たいへんに便利で清潔な生活を支えますが、使い方を誤ればすぐに人を殺傷します。例えば次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸類)でも塩酸などと混ぜることによる死亡事故が生じています*。 〈*総説 危険な次亜塩素酸ナトリウムと適切な消毒 大谷修 漂白剤、食酢は使い方を誤ると猛毒ガスが発生する2015/09/28日刊SPA!〉  暮らしの中で化学薬品を使う上で厳守すべきは次の三点です。  飲むな、食べるな、混ぜるな、死ぬぞ  この三つを守れば、少なくとも死ぬ危険は大きく下がります。化学薬品は、使用法を守り、安全で快適な生活を謳歌しましょう。 ◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ1 <文/牧田寛>
Twitter ID:@BB45_Colorado まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
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