――同世代の力が強かったようですが、上の世代からなにか言われることはありませんでしたか?
怨念:「始めたころは『あんまりよく思っていないんだろうな』って歳上の人もいましたけど。最近は何もないですね」
正社員:「
ヒップホップにも世代の違いみたいなのはありますし、僕とかは結構それを食らってる世代なんですけど、怨念とかはだいぶ離れてますからね。そういう文化もないし、そもそも、
そういう先輩とは知り合わないほうがいいんじゃないかと(笑)」
怨念:「イベントの主催ということでいうと、正社員さんの次が僕の歳とかですよね? 15個ぐらい離れてる」
正社員:「イベントのスタートでいうと戦極の前の戦慄MCBATTLEが2009年、UMBとかも2005年とか、THE罵倒が2007年とかで。凱旋MCbattleは2018年スタートなので、10年近く開いてる。その間も
いろんなイベントがあったけど、みんなすぐいなくなったりとか、やめていく大会が多かったです」
怨念:「一時期、凱旋だけじゃなくて、他にも同じ会場で始めるイベントが多かったですよ。5つぐらいあったのかな?」
正社員:「そこでやめるのか、3000人集めるイベントになるかの違いは、怨念の人間性だと思います。MCバトルは一番最初に“
センスのいい不良”が流行らせたけど、一般の人は入りづらいじゃないですか。そこで“
キャラとしてオタク系”の俺が入ってきて、一般の人に受けるにはこうしたほうがいい、あーしたほうがいいですよと。それはダサいって言われるんですけど、だんだんやっていくと」
――今はMCもオーディエンスもいろんな人がいますもんね。
正社員:「そこまでいって、『この先もうひとつ上のレベルに持ってく奴ってどんなんだろう』って思ってたんですよ。それが俺なのか、もう一回不良の人がパッとくるのか、どうなんだろうって思ってたときに、凱旋がガーッときた。それは、ただただ
若くて、ただただ
男前で、ただただ
人間性がいい人が『
リーダーシップを持ってやるぞ!』ってやったことがデカいのかなと」
――主催者の色が反映されるんですね。
正社員:「基本、俺は怨念の人間性だと思いますね。怨念だったら2か月3か月前にメンバーを考えて、連絡して、こうやりたいって思いを伝えて……。それって
普通のことだけど、消えてく奴らはやってない。やってたとしても頻度や質が少なかったり、ケアが低かったりする。怨念的にどう思ってるのか気になるけどね。自分がやった新しいことってなんだと思う?」
仮想敵(?)のMC正社員から誉め殺しにあった怨念JAPは何を語るのか? 次回もお楽しみに!
<構成/HBO編集部>
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く