新型コロナ感染拡大の2週間で失業者数がリーマンショックを上回ったスペイン。日本も決して他人事ではない!

この半年間が勝負

 ちなみに、政府が失業者と見なす一番目安にしているのが社会保障費負担の契約解除者の数である。スペイン職安システムの場合、失業届けを出す人の中には初めて職を探そうとしている人も加えられているからである。  2日に発表された3月の社会保障費の契約解除者の数は83万3979人と発表された。それに一時解雇者がおよそ62万人と指摘された。一時解雇者の最終の集計がまだ7つの自治州で行われていないということで、この数はさらに増えるはずだ。  失業者が一番多い業界は建設業と観光業だという。スペインがバルブ景気の時も同じくこの二つの業界で雇用が急増していた。(参照:「Libre Mercado」、「El Confidencial」)  もし一時解雇者という枠を政府が設けていなかった場合は、この62万人も失業者となっていたはずだ。ただ、前述したように半年先に会社側が彼らの職場への復帰を望まない場合は彼らは自動的に失業者となってしまう危険性がある。つまり、コロナ禍の終息も見えてこない中で、この半年間の景気の動向に依存することになる。

廃業を申請した自営業者も多数

 問題は4月である。4月に一時解雇者の数は相当に増えると予測されているのだ。  雇用についての専門コンサルタントのアセムプレオ(Asempleo)は3月と4月でその数は260万人と予測している。また労働組合は200万人から300万人と見ている。 10社の内の4社が赤字経営にあるという現状から推断して、一時解雇者の全員が職場に復帰することはまずないはずだ。(参照:「Libre Mercado」)  2日の政府の発表の中で抜けていることで重要なこととして、電子紙『OKDIARIO』が、50万人の自営業者が廃業の申請を出していることを指摘している。  だからその記事の見出しは「スペインの歴史のブラックデイ:10,003人の死者と190万人の職場が減った」と題されている。死者とはコロナウイルス感染による死者の数。そして190万人というのは失業者と一時解雇者と自営業の廃業者の数を足した数、というわけである。
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コロナ以降、大不況の可能性も
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