いち早く「コロナ3法」を決めた文在寅政権。防疫から経済支援まで、その内容とは?

韓国の経済支援策はどのようになっているのか?

 また、安倍総理大臣の記者会見や国会での発言を受けて、国民が注目しているのは、経済的な支援策であり、特に小中学、高校等の臨時休校を受けて、仕事を休まざるを得なかった人たちや、新型コロナウィルスの感染拡大により甚大なダメージを被った中小零細企業への支援策である。  韓国では今回の新型コロナウィルスの感染拡大を受け、政府として矢継ぎ早に民間支援策を発表している。  まず新型コロナウィルスの感染者や感染の疑いがある隔離者に対しては、4人世帯基準で月額123万ウォン(約12万円)の支援を決めたほか、幼稚園休園により「家族見守り休暇」を利用している、8歳以下の子どもを持つ家庭には、夫婦合算で最大50万ウォン(5万円)の費用を支給する。  また国内経済の維持、特に内需維持の施策として、所得税控除額の拡大や自動車購入時の個人消費税を5%から1.5%に引き下げた。また高齢者就労所で働く人たちには、給与の30%を地域振興券で受け取る場合、給与全額の20%分の文化観光等の振興券を上乗せする。  これ以外にもホン・ナムギ副総理は、27日、新型コロナウィルスの感染拡大により経営的なダメージを受けた小規模商工人を支援するために家賃を下げた貸主(建物主)に対し、引き下げ額の半分を国家が負担する事を明言した。併せてLH公社や仁川国際空港等が含まれる、国家が管理する施設の賃貸料も半年間、20%~35%引き下げると発表した。  これらの施策は、先に政府関係者らが公表明言し、その内容に合わせ議会で法的な承認を得る形を取っている。

民間金融機関も積極的に支援策を打ち出す

 政府以外の支援策も活発だ。社会全体に新型コロナウィルスの被害が拡大しているからこそ、官民が一体になって危機に立ち向かおうとする気概が窺われる。特に金融関連の支援策が積極的だ。  国策銀行である企業銀行が中小企業に対する積極的な融資策を発表し、また必要な企業には、洗浄剤や消毒殺菌剤約6万4000個を無料配布することとした。KB国民銀行も4000億ウォン(約400億円)の新規融資枠を作った。ハナ金融グループは全国災害救護協会に多額の寄付を行い感染病対策物品の購入を支援したほか、特に被害が拡大している大邱地域においては、グループの不動産物件を借りている企業に対し3カ月間の賃貸料免除を発表した。その他、多くの金融機関や保険会社が緊急融資を発表し、また利子の免除や一時引き下げ、返済の繰り延べに応じている。  日本政府がどのような法律を作るのか。また具体的にどのような支援策を発表するのか。  隣の芝が青く見えることのない対策を期待したい。 <文/安達夕>
Twitter:@yuu_adachi
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