2020年の通常国会ほど、
政治解説の難しい国会はなかったように思います。なぜならば、桜を見る会問題、高検検事長の定年延長問題、新型コロナウイルス問題と、政権を揺さぶる大きな問題が続きながら、
いずれも解説の余地がないほど、底の浅い問題だからです。繰り返し指摘されているとおり、
法令に反する問題であったり、内閣の危機管理能力の問題であったりして、見たままの問題です。
国会運営も同様です。衆議院予算委員会において、質疑に真正面から答弁しない首相や閣僚の姿勢は定番になり、新たに安倍首相による辻元清美議員へのヤジや棚橋泰文予算委員長の大仰な「……静粛に」芸が加わったくらいです。
国会制度に基づく解説が必要なレベルではありません。誰が見ても、ダメなものです。なお、
棚橋委員長の「質疑時間削減芸」(棚橋ワールド)については、本多平直議員による棚橋委員長不信任決議案の
議案説明演説(5時間35分40秒前後から)を見るとよく分かります。
これら、
安倍首相らによる「国家の私物化」に審判を下すのが、有権者であることも言うまでもありません。このように、専門家による解説が不要なほど、ひどい国会というわけです。
そこに飛び込んできたのが、
安倍首相による3月2日から春休みまでの全国一斉休校の要請です。これによって、全国の教育現場と子どものいる家庭は大混乱に陥っています。その決定プロセスについて、朝日新聞は「
首相の独断」と報じています。同報道によると、安倍首相と今井尚哉首相補佐官兼秘書官が、萩生田文科大臣を押し切って「見切り発車」したとのことです。
実際には、
安倍首相に全国の学校を休校にする権限はないため、権限をもつ自治体の教育委員会の判断になります。しかし、官僚はおろか、民間企業の見解さえ、変幻自在に変えさせてしまう「神通力」をもつ
安倍首相の要請を、ガン無視できる教育委員会はほとんどないでしょう。そのため、多くの学校や家庭は、3月2日からの休校を前提に動き始めています。
このように、政治解説の余地がないほど政権の問題が明確なため、本稿では教育に携わる者として、
大人と子どもで一緒に、突然の休校を乗り切る勉強法を解説します。3月は、一年間の勉強の総まとめをする大切な時期ですが、突然の休校によって、それが学校でできなくなりました。とはいえ、子どもの自習だけでは不十分になりがちです。ならば、家庭でどうやって行えばいいのでしょうか。
ポイントは、
学習動画の活用です。複数の民間教育企業が、小中高の教育内容について、動画で解説を提供しています。ここでは、個別のサイト名を示しませんが、いくつもの無料学習動画が提供されています。子どものいる家庭では、少なからず見たことがあるでしょう。
動画による学習が当たり前になっている
ドイツに住む友人によると、大人と子どもで一緒に学習動画を見て学ぶといいそうです。子どもが一人で見るのでなく、親や兄弟、身近な大人が、子どもと一緒に学習動画を見ることで、効果がアップするのです。
その際、
学習動画の効果をアップさせる魔法の呪文があります。一緒に学習動画を見た大人が、この呪文を発するか、否かで、効果が変わってくるというのです。その呪文とは……
「
動画の内容を自分の言葉でまとめてみて!」
魔法の呪文は、これです。
学習動画で解説された内容について、子どもに自分の言葉で要約させるのです。求められることは、
暗記でなく、理解です。一言一句を繰り返させるのでなく、短く要約させることが大切です。それで、適切に要約できていれば、次の学習動画に移り、できていなければ、繰り返し動画を見るわけです。
もちろん、一緒に見る大人が内容を理解していなければ、要約の適切さを判定できません。大人も不安だったら、臆せずに、繰り返し動画を見ればいいのです。
大人と子どもで一緒に学ぶことで、子どもに教えられることも多いでしょう。それもまた、学習効果をアップさせます。他者に教えることで、自らの学んだ内容を反すうし、定着させることができるからです。時には、分からないふりをして、子どもを教える役にしてもいいでしょう。