後手後手のダイヤモンドプリンセス対応。枝野立憲代表の質問にまともに答えなかった加藤勝信厚労相

DP号下船者への交通機関の利用自粛要請は下船時はいつだったのか?

 続いて枝野代表は、下船者へのフォローアップに言及。公共交通機関の利用自粛要請が下船時(2月19日)ではなく、2月23日であったという事実をYesかNoで答えられるように非常にシンプルに加藤厚労相に質問している。その質疑は以下の通り。 20200226 衆議院予算委員会 質疑2枝野代表:「船から降りられた方に対してのフォローアップのことですが、公共交通機関の利用自粛を要請したのは、船を降りる時(2月19日)ではなく、2月23日、日曜日で間違いありませんか? これも後手に回ったと言われても仕方ないんじゃないですか。」 加藤厚労相:「「あのー、まずー、個々の方々については健康カードというのをお配りをさせて頂きました。で、その段階では、えー、極力、うー、や、例として、外出を抑制するように、ちょっと正確な言葉じゃないかもしれませんが、いうことについて、えー、当初、十分そこの記述が無かったので、えー、専門家会合の皆さんから先ほど申し上げた、この新型コロナウイルスというのは未知の部分があるということ。そういったことを踏まえて、えー、きょ、極力、外出等は控えてもらう。そういう対応をしていくべきじゃないかと、ま、ご指摘を頂いて、えー、健康カードを書き換えて、(黄信号  えー、そして、えー、すでに下船された、初日の19日の方に対しては電話等でそのことをお願いしたところであります。(赤信号
で、さらにその後、先ほどの事象が、
あ、発生したということ、あー、陽性の患者が発生したということを踏まえて、毎日、健康のフォローアップをしていくということ。合わせて、いわゆるフルの、濃厚、ごめんなさい、えー、フルの、えー、フォローアップ体制に入るということで、えー、その中には、えー、公共、えー、交通機関の利用を避けて頂く。そういったことも重ねてお願いをしたと、そういうことであります。(赤信号)」  1段落目は、なぜか聞いてもいない健康カードの運用を延々と説明しており、黄信号とした。  続く2段落目、ようやく公共交通機関の利用自粛の話題に言及するが、以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。 【質問】交通利用自粛を要請した時期 ↓ すり替え 【回答】交通利用自粛を要請した手段  最後の3段落目も公共交通機関の利用自粛について述べているが、以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。 【質問】交通利用自粛を要請した時期 ↓ すり替え 【回答】交通利用自粛を要請までの流れ

「ご飯論法」の達人、加藤厚労相ならではの不誠実答弁

 結局、加藤厚労相は「公共交通機関の利用自粛を要請したのは2月23日か?」という非常にシンプルな質問にすら一言も回答していない。この回答の後、枝野代表は以下のように指摘している。 枝野代表:「あのー、最初に降りられた方にはキチッとした指示が出されていなかったということをお認めになりながら、残念ながら『後手に回ったので、今後急がなければなりませんね』という話はありませんでした。」  この質疑の全編はYoutubeで字幕付きで視聴できるため、ご確認頂きたい。(本記事で取り上げた場面は動画の22:17〜  ご飯論法で不誠実答弁の使い手として悪名を轟かせた加藤厚労相らしく、質問に理路整然と回答しているように見えて、実は質問に答えないという姿勢が一貫して確認できる。 <文・図版作成/犬飼淳>
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
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