日本での新型コロナウィルスの感染状況が深刻になるなか、世界における感染状況に関連する報道が激減した。ニュースの注目度、重要度を考えればそのような状況にもうなずけるが、北朝鮮の報道では、世界の感染状況も正確に伝えている。
以下、翻訳文。
「世界的に新型コロナウィルス感染症の被害が継続的に拡散されているなか、各国で伝染病の被害を防ぐ措置を取っています。
ベトナム保健省では13日、首都付近の村で6人の新型コロナウィルス感染者が見つかったことに関連して、そこにいる1万余名の住民たちを隔離する措置を取りました。
保健省は昨年12月、中国で新型コロナウィルスが発生して以来、中国以外でこれほど多くの人が隔離されるのは初めてだと明かしました。
次にオーストラリアの首相が13日、自国での新型コロナウィルスの伝播を防ぐために、中国本土より来る外国人に対する入国禁止措置を更に1週間維持することを明かしました。
一方、スペイン・バルセロナで開かれる予定であった世界移動通信大会が、新型コロナウィルス伝播問題に関連して中止になったと言います。
12日に主催者は、国際的憂慮や旅行警報等により大会を中止すると明かしました。これに先立ち各国の移動通信企業たちが、この大会に参加しない立場を明かしていました。
また最近、大型遊覧船のウェストダムが、新型コロナウィルス感染者がいるかも知れないとの憂慮のため、日本、フィリピン、タイなどから入港を拒否されたと言われています。1455人の旅客と802人の乗務員が乗るこの遊覧船は、海上で2週間ほど過ごしながら、カンボジア政府の承認により、13日、シアヌーク港に停泊したと言われています。
ではここで、発病国である中国の情報をみてみましょう。
中国の国家衛生健康委員会が発表した統計資料によれば、14日24日現在、新型コロナウィルスによる国内での総感染者数は66492人に達したと言います。
14日現在の死亡者数は、1523人、重症患者は11053人だと言います。また伝染病に掛った疑いがある患者数は8969人、回復し退院した数は8096人と言います。
また169039人が医学的観察を受けていると言います。我が国に隣接する中国・黒竜江省では14日現在、感染者が419人、遼寧省では119人、吉林省では、86人に増えたと言います。
中国の次に最大数の感染者を抱える日本では14日現在、東京で3人の感染者が増え、総感染者数は254人となり、シンガポールでも9人の患者が追加され総感染者数は67人に増えました。
これにより2月14日現在、世界的な感染者数は6万7500人以上に達しました」
動画ではこの後に、新型コロナウィルスの症状や予防方法について改めて解説している。その解説はかなり具体的だ。動画には英語字幕があるので、読める方は見てほしい。
日本に停泊しているダイヤモンド・プリンセス号について言及しないのも、船にまつわる国家間の問題があることを認識しているのだろう。
「まさか北韓の報道により信頼を寄せる日が来るとは」と韓国民
以下は、動画に対する韓国の人たちのコメント。
「まさか北韓(北朝鮮)の報道により信頼を寄せる日が来るとは」
「韓国の報道より簡単明瞭に説明をしてくれている。韓国では何でこのような報道をしないのか」
「北韓は、防疫対策のための人力や物資が不足しているだろうから、こんなに深刻に報道するんだね」
感染者0の国の真偽を確かめる術はない。しかし新型コロナウィルスの感染は国家の存亡に直結するという危機感が滲み出た動画は一見の価値がある。
<文・翻訳/安達夕>